分岐点

奥日光の白樺林の中で新鮮な空気に浸っていたら、明らかに鹿とは違う黒い動く動物が見えた。何かを食べている様子であったが、ひょいと顔をこちらに向けた。熊である。数分間、お互いにじっと見合っていたが、熊は空腹でなかったのであろう、反対方向に姿を消した。食は無益な争いを回避する。 先週20日に北京から帰国したばかりの友人に会った。一連の騒動に対し全く不安はなかったそうである。彼は中国の工場運営に従事しているが、雇用の中国人が何かあればガードすると自信たっぷりに語る。お互い信頼関係があるから安心という。所用が済み次第、中国に戻る。 中国のFA市場は日本の市場を追い抜き、アジア1位の規模になった。先進各国…


混沌時代の販売情報力黒川想介 顧客情報の蓄積から始める

情報の入手には二通りの方法がある。一つ目は単なる見聞きした情報である。二つ目は自分が知りたい事柄を質問して得た情報である。販売員が得意気に話すトピックスは、ほとんどが一つ目の情報である。意図して得る情報というよりは顧客が率先して話してくれた情報だということだ。したがってトピックス的情報というのは顧客の中では既にオープンになっている情報ということであって、新聞や雑誌記者がつかむスクープとは違う。 販売員との打ち合わせの中で、「最近の顧客の状況はどんなものか。何か良い情報はないか、何でもいいから聞かせてほしい」と話しかけても、「当月はあまり良い情報がない」「とりたてて言うようなトピックスはない」と…


分岐点

機械安全対策を取材しているうちに、訴訟社会といわれる米国で、コーヒーで火傷をした人が訴え、企業は高い賠償金を支払った事件を思い出した。コーヒーカップに「高温注意」の文字が印刷されていれば、企業の責任は免れ事故は発生しなかっただろうか、と。 今年1月改正の労働安全衛生規則は、機械製造業者等は機械譲渡時における機械の危険情報を作成し機械ユーザーに通知することを努力義務とした。漸進かもしれないが、「通知の努力義務」よりも、非正規社員が増えていることを考え、機械安全対策を法的拘束力で義務化して欲しかった。 一昨年に中央労働災害防止協会が調査した製造業の非正規労働者に関する報告書によると、1857事業所…


分岐点

自動化、省力化が企業の栄枯盛衰まで握るようになった。見事なまでの自動化設備を整えた回転寿司店が登場し、近所の寿司屋さんが閉店した。親しくなると、ついつい板前さんと談笑し長居をしてしまう。それが楽しくて、また通う。その会話が残念ながらできなくなった。 名古屋市にはロボットラーメン店があると聞いた。店長と副店長のロボット2台がラーメンをこしらえる。社会システム自体が自動化、省力化に進んでいるのだから、当然の方向かもしれないが、いち早くロボットや自動化設備を導入させた企業が製造業ばかりでなくサービス業でも繁盛する確率がますます高くなった。 もちろん人手で繁盛する店もある。家族で開いている中華店の昼時…


混沌時代の販売情報力黒川想介 商社は情報社会の申し子

日本の総合商社は元気がいい。活発な資源開発などで、好調な決算を発表し新聞を賑わせている。1980年代には日本の商社が冬の時代と言われたり、商社無用論などの本が書店に並んでいたのとは様変わりである。80年代と言えば物づくり製造メーカーがオイルショックを乗り切って、品質・コストを武器にして輸出に隆々とした時代であった。 メーカーの力は大きくなり、商社を通さずに自前で海外に拠点網を築いた。そのため日本の商社の取り扱い高は減少し、商社冬の時代と巷間伝えられたのである。 商社は日本メーカーの代理業務の減少によって、商社本来の姿に立ち返った。坂本龍馬が世界を相手に商売をするという目的でつくった亀山社中やそ…


分岐点

EUの景気に赤信号が点滅した。優良国ドイツの製造業は販売管理費の削減に乗り出した。EU諸国はデフレ下の日本と同様な低価格競争が一段と強まりそうで、新興国は右手で先進国が閉じようとしている市場の扉を支え、左手で内需拡大策を講じざるを得ない。 この状況から脱却する術として、先進国はいろいろな分野でイノベーションを加速させている。日本も社会、産業を巻き込み、経済産業省、国土交通省、文部科学省さらには地方自治体やJETROまで加わって「○○イノベーション」を謳い組織結成に勤しんでいる。まさに、イノベーション華盛りの様相である。 識者によると、そのキーワードは「オープンイノベーション」だそうだ。今までは…


安全プログラムの標準化PLCopen 技術仕様書 Safety Software

4.3. ミューティング この例では、生産セルを保護するために、安全機能を記述します。対象物となる材料はライトカーテンによって守られている搬入口を通過して運搬されます。このライトカーテンは、セルに材料搬入のためにだけミューティングすることができます。セルには、オペレータが安全ドアを通って入るかもしれません。セル内の処理は、機能アプリケーションで制御されて、安全回路で許可されます。安全要求またはエラーの場合には、すべての危険な動作は、停止カテゴリ0に従って止められます。 4.3.1 安全機能の機能的な説明 以下の場合において、すべての危険な動作が止められます。 * ドアの開放 * エラー(例えば…


分岐点

商社の経営者から「秋葉原を見てよ」といわれ、出向いた。JR御徒町駅から秋葉原駅方面へ線路沿いに歩いた。高架下に一昨年12月にオープンした「2k540AKI―OKA ARTISAN」は、モノづくりをテーマにしたアトリエショップが客待ち顔で並んでいる。 蔵前通りから中央通りへ出てみた。一転してパソコン、ゲーム機などに混じり娯楽施設、飲食店が雑然と軒を連ねている。秋葉原電波会館にたどり着き、細かに区割りした昔ながらの店舗が測定器、電子部品、制御機器、電源、ケーブル、工具などを売っていて、ホッとした。 が、電気部品が何でも揃う時代に比べ、いかにも寂しい。しかし、実際は半導体、電子部品、制御機器、電材、…


混沌時代の販売情報力黒川想介 まず自分を売って、商品を売る

新しい顧客の開拓がむずかしい。顧客開拓で成果が出ない、と販売員の嘆く声が聞こえる。狙いをつけて訪問しても担当の人に会うことはできない。受付のような部署でことわられるケースが多い。どうやれば中に入って、担当の人に会わせてもらえるか分からない。ようやく会社の中に入れて技術系や購買などのようなかかわりのある人に会えても、何かあったら連絡すると言われて退散する場合がほとんどである。また来て下さいとは言ってもらえないと嘆く販売員がほとんどである。ひと昔前なら、販売員に少しの勇気があれば見込み客の門をくぐれた。門をくぐった先には受付があり、現場の技術者が出てきてくれる場面は多かった。 その頃と現在はどこが…


分岐点

ロンドンオリンピックのバドミントン女子ダブルスで4チームが無気力試合として失格となったとき、なぜか、近江商人の家訓「三方良し」の素晴らしさを改めて感じた。失格者は観衆を無視し故意にサーブをミスするなど、素人目にもはっきりとわかる試合をした。 コーチの指示で動いている選手を非難するつもりはないが、とくに驚かされたのは、世界ランク1位のペアが含まれていたことである。誰もが認める世界トップのチームに対して、観衆は最高の技術を見たいのである。次の組み合わせを考えず、堂々と金メダルを取って欲しいと思っている。 逆に、最高の技術に最高の品質「美」を付加した体操個人総合の内村航平選手は絶賛された。製造業でも…