混沌時代の販売情報力 黒川想介 日頃の地道な情報収集が有効

IT技術の発達によって情報化時代から情報過多時代になり、欲しい情報は以前と比べれば容易に入手できるようになった。販売で情報と言えば、顧客から入手する情報と、販売から発信する情報の2種類ある。 映画やテレビドラマの中で活躍する販売員は、苦労の末に顧客に合った提案や素晴らしいプレゼンテーションで逆転の勝利を飾って視聴者を魅了する。つまり顧客が望んでいる物やシステム、あるいはサービスといった情報を実にタイミングよく提供する。そこが見せ場で格好がいい。一方、顧客が本当に望んでいることを知るために、色仕掛けやスパイが暗躍する諜報活動が展開される。また、偶然に欲していた情報を入手する場面も多い。ドラマの世…


分岐点

暗闇のスクリーンに、ぼんやりとグレー色の日本列島が映し出された。目を凝らすと、そこには「国内競争に疲弊した企業群」がいる。グローバル競争で他国の大手企業に大きく差をつけられ、経済力の後退にもがき続けている姿が否応なく目に入ってくる▼この現状に対し、政府がようやく断を下した。経済力低下の要因を「日本は同業種企業が多過ぎる」「大手製造業は海外で勝てる企業体になっていない」「中小製造業も縦割り系列から脱皮できないでいる」と、問題点と今後の成長戦略を描いた。中小製造業も後進国や新興国に集団進出すべきで、資金支援なども行う▼要は、大手も中小企業も形はどうであれ、1業種当たりの企業数を減らし一刻も速く海外…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 販売員の顧客情報収集は重要

2008年後半から続いてきた景気の低迷によって、多くの会社は利益を大幅に減らしている。この難局に対応するためにリストラや、組織変えを実施して凌いできた。落ち着きを取り戻し一段落してくると、目の前にある今日の量である売り上げを少しでも上げようという思いで動きだす。拡販の企画はキャンペーンに走る。販売店にはいろいろなメーカーの立派なポスターが貼られているが、とりあえず走り始めたキャンペーンでは成果は望めない。 とりあえず走り始めて成功したのは、90年以前の成長期である。成長期では一時不況に陥っても先の見通しが立ったために、「とりあえずキャンペーン」という行動が成果をもたらした。ともかく行動というキ…


分岐点

新興国などの鉄道や発電・送配電網などインフラ整備に対して、先進国間で受注競争が激化している。日本は省エネ・環境技術水準が世界最高レベルでありながら、他国に取られるケースがある。その原因は、個々の技術に勝っていてもトータル提案力に欠けるからという▼確かに、生産現場でも同じことが見受けられる。工程単位での効率改善は得意であるが、前工程から後工程、出荷まで全体のシステムとして見ると不整合がまだまだ目に付くという。工程間に見えない壁が存在する。全体をコーディネイトする生産技術担当者を配置できないのが一因なら、それをカバーする体制があれば良い▼その受け手に、商社が手を挙げられないだろうか。現在でもエンジ…


分岐点

鳩山首相が世界に宣言したCO2排出量25%削減に対し、最近は結構なことだという発言が技術者の間で多くなった。「企業の負担が大きくなり競争力を殺ぐ」から「環境、省エネの技術力がさらに増し、世界での存在感を維持できる」に変わりつつあり、エネルギー問題に真正面から取り組む姿勢が強い▼同じようなことが人口問題にもある。わが国は世界比で人口3%、GDP10%であるが、2050年までに人口1%、GDP3%に縮小する予測が出された。だが悲観することはないと、ある著名な技術者は言う。連続性変化ととらえて世界規模で考えれば、人が変わり、マーケットも変わる。チャンス到来である▼新興国が成長し、日本は製造業が海外進…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 商談テーマの管理は活用法がポイント

電気・電子部品やコンポを扱う営業でも、パソコンが広く使われだしてから商談テーマ管理をするようになった。大型案件、システム案件や面白い案件を発掘して受注を目指すための管理手法としては、大変有効であると思う。メーカーの直販や大手商社の担当する民生用・業務用市場、それにシステム対応が求められるユーザー市場には必要な管理手法である。 顧客の特性や販売する商品の特性が、商談テーマ管理に合っているからである。現在ではどの営業会社も商談テーマ管理を導入しているが、本当に生産性は上がっているのだろうか。産業設備市場や中・小の業務機器市場向けに販売している大半の販売会社が、現在行っているような商談テーマ管理は、…


分岐点

春や秋の心を和ませる期間が短く感じられ、四季がかすれてきたように思える。5月を目前にしながら、夜間の冷え込みは暖を取りたくなるほど。緊張の解れる時間が短くなる現象は、業界にも見ることができる。安定成長期が僅かになり、上下動が間断なく襲う。緊張の連続である▼この5月からガソリンが一斉に大幅に値上がりする。樹脂、銅、鉄鋼など原材料も価格引き上げを実施する。原材料の高騰はほぼ3年毎に現れる。2004年は原油、鉄鋼などが98年に比べ2・5倍になった。そして、記憶に新しい07年から08年にかけての世界的規模による急騰である。大不況に突入した▼先を思うと嫌な気分である。前回は原材料費の上昇を中間財で吸収さ…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 顧客情報把握こそ勝利の戦術

情報というのは、案件や商談テーマと同義語ではない。しかし、制御部品や電子部品のような部品の営業では、「何か良い情報はないか」という問いに対して、案件や商談テーマを意味するものとして答えている。営業一般はそうであるが、特に部品営業の目標は商談発掘よりも、まず売り上げ額ありきである。したがって日頃の販売員間の仕事上の話題は、売り上げ目標に対してどうなっているかであり、営業会議の主題も売り上げ額の確保である。 そのため日頃から上司と部下の間や、メーカーと販売店の間で使われる情報ということになると、売り上げに直結する案件や商談テーマのことになってしまう。孫子は「己を知り、相手を知れば百戦して危うからず…


分岐点

先週末は真冬並みの気温が、雨を夜半には氷雨に変え、薄着の樹木は風雪に新芽を守ろうと耐えていた。同時刻に、欧州ではアイスランド氷河の火山噴火で各国の空港が閉鎖された。氷河という言葉が頻繁にニュースに登場する▼今年の新社会人もまた就職氷河期といわれた。ただ、こちらの氷河期は若者に逞しさを育み、企業から期待を持って歓迎されている。三菱電機が新入社員を対象に行ったアンケートでは、社会人に必要な要素に、45・4%が「責任感」と回答。「コミュニケーション力」41%、「向上心」26・4%も多い。「責任感」は5年前より約10ポイント増えている▼仕事をする目的は「人間的成長」34・4%、「社会貢献」32・6%、…


分岐点

制御機器や電子部品の受注内容に変化が出ている。これまでは、即納品を要求されていたが、最近は2~3カ月先の見積もり依頼や発注予約が増えている。ユーザーにまで部品不足の情報が行き渡っている証左であろうが、商社では仮需発生に対する警戒感が広がっているようだ▼現に、ある装置会社の購買担当者は、受注が増えてきたなかで部品確保のため先行手配せざるを得なくなったとして、複数の商社に見積もり依頼を出していると話す。これに対し、各商社はメーカーを探し、価格や納期の交渉をする。メーカーも手間がかかる。商社では例え受注につながっても、これにかかる時間と利幅を計算すると間尺に合わないケースが出ている▼もっとも、メーカ…