分岐点

作家の曽野綾子さんは、経営者になっても成功すると思った。どのような道に進んでも一流になれる資質を備えていると言い換えたほうがよいかもしれない。産経新聞に連載の「透明な歳月の光」で、チリの炭鉱事故で地下700メートルに閉じ込められている33人を取り上げていた。 普通は「大事故が発生したものだ。遭難者は避難所に逃れてよかった。早く救出して欲しい」程度の思考で止まる。曽野さんは「人間はすべき仕事がないと不満や恐怖の塊になる。感謝、生きる目標、受けるだけでなく与える機会、この3つを作れば、暗部にも微光は差すだろう」と、解を示している。 33人に役割をもたせ、地上に出てくるまでの具体的な生活を提案してい…


混沌時代の販売情報力 まず自分を正しく伝える情報発信を

現代の生産工場で採用されている自動制御は成熟期にあるということに加えて、生産の海外移転の進行により、制御部品やコンポーネント営業は大競争に明け暮れている。顧客を取った、取られたと言って置き換え、切り替えに余念がない。 かつて自動制御という概念を発信していた時は、自動制御業界全体の拡大を目指していたのだ。 営業に取った、取られたはつきものであるが、そのことばかりが毎日の営業になっているのであれば業界全体の拡大に向かっていないことになり、新たな磁場をつくる発信力が生まれてこない。磁場ができるほどの発信力とは、受け取る技術者にとって魅力あるものであるはずだ。難しいが、少なくとも現存の商品を精鋭化する…


分岐点

昨年後半から急上昇していた液晶製造装置向けセンサーなどの制御機器受注がここにきて止まった。ただ半導体製造装置向けは依然旺盛である。総じて、昨年を上回る状況を維持しているが、日本人の性向なのであろうかマイナス面に目が向かいがちで先行き不安視したくなる。 制御機器搭載率の高いロボット産業をはじめ、工作機械、加工機械などは昨年度と比較して大幅な生産増が続いている。食品、飲料水、医薬品関連では設備リニューアル需要が根強い。過去のピークを超えるまでにはいかないが、昨年の大不況を乗り切った制御機器業界は足元の需要がまだしっかりしている。 需要が下降から上昇に転じる時、シェア獲得競争が一段と激しさを増すのは…


混沌時代の販売情報力 顧客の現場がわかる人間関係を

電気部品や制御コンポーネントがオートメーションパーツとして売られていた時代には、販売員の営業活動は単純簡潔で分かりやすかった。自動制御に興味のある人を探して、売り上げを確保すればよかったからである。電気技術者や機械技術者、それにベンチャー的な製品を作ろうとしている人達が見込み客となっていた。 経済の規模が大きくなり、自動制御技術も高度に発展してきたが、特に製造工場の自動制御はFAと呼ばれるほどの規模となり、一つの市場を形成した。自動制御技術は大いに発展し、多くの部品やコンポーネントが生まれた。経済社会の規模が大きくなり社会のシステムも高度に複雑になってくると、社会の要請に応じて次々と様々な物が…


分岐点

アマゾンマーケットで工学書を調べていたら、解説本「やさしい国際標準PLC―制御システムの技術的課題解決のために」が売りに出されていた。日本配電制御システム工業会発行、当社出版部が受託制作・発売なので気になり販売価格を見たら、呆気に取られた。定価2500円に対し、希少本として3825~7500円の値札を付けている。 IEC61131―3に準拠した国際標準PLCの初の入門書として、工業会の制御・情報システム部会とPLCopenJapanの方々が制御システム技術者の視点でまとめた。1年半前に発刊し初版は売り切れたが、今も購入の問い合わせがある。「IEC言語でプログラミングする若い技術者に読まれる内容…


分岐点

FA制御機器業界は生産がV字回復なのに、メーカーも商社も経営者の表情には緊張感が漂っている。半導体製造装置、建設機械などを客先に持つ企業の生産回復力は異常なほどに旺盛であるが、いずれも輸出向けであり、内需関連の需要回復に至っていないのが先行き不安感を拭いきれない原因である。2001年の不況が頭に残っているから再来の心配が先に来る。 前回の景気は99年1月が谷、翌年11月が山で戦後最短の拡張期であった。それ以降は後退期に入り、01年、02年の実質経済成長率は0・4%、0・1%と停滞が続く。アメリカのITバブル崩壊、それに伴う輸出低下が景気悪化をもたらし、景気刺激策から財政赤字の縮小策への転換が低…


混沌時代の販売情報力 顕在化の市場を再発見へ

このような背景から成熟している商品の競合は、激しくなっているが、思っている程に販売員の危機意識は強くない。電気部品コンポーネントメーカーは、早々と海外へ営業拠点を設けて成長期の海外市場で商品志向の拡販をしている。 国内でしか販売できない中小の商社は、現市場で量の拡大がマクロ的には見込めないという前提に立てば大変なことである。現市場をもう一度よく見つめるマーケティング感覚を持つ必要がある。同じ商品でも売れる市場は、いろいろあるはずだ。 販売員が行うマーケティングプロセスは、まず「どこで売るのか」という市場の選定である。 次に対象市場の調査である。販売員は、できるだけ多くの対象顧客を訪問し情報収集…


分岐点

松下幸之助さんの名言「青春とは心の若さである。信念と希望にあふれ、勇気に満ちて、日に新たな活動を続けるかぎり、青春は永遠にその人のものである」を思い出しながら、心の若さというのは考える力を養い続けることでもあるのだろうと、連休にない知恵を絞ってみた。 流通商社の役割は、仕入メーカーと顧客の間に立ち、「金流」と「物流」を主にしてきた。現在は、顧客に軸足を移し購買代行という領域に踏み込んで生業を支えている。が、商社にとっては顧客深耕と同時に、顧客数の拡大も欠かせない。廃業数が起業数を上回る時代に新規顧客の獲得は容易ではない。 「金流」、「物流」に新たな役割を付け加えた戦略が必要であるが、それは、「…


混沌時代の配売情報力黒川想介 全体を見て営業現場を決まる

紀元前のローマが巨大になった領土を経営していくには共和制といわれる体制では、いずれどうしようもなくなると考えたカエサルは、帝政を模索しているうちに暗殺されてしまった。カエサルの戦略眼通り、ローマは帝政になってアウグストゥス帝を始めとして後継者たちに引き継がれ繁栄した。 カエサルは、天才的戦略家だった。カエサルは戦略眼だけでなく、戦場で天才的な指揮を取る戦術家でもあった。数々の戦場で戦い方に惚れ々々してしまうのは、私だけではないと思う。 軍のスピードは、考えも及ばない工兵を使ったグランドデザイン的な装置、敵もあっと驚く意表をついた戦術に血湧き肉躍る思いを誰もが感じるだろう。 カエサルはローマの東…


分岐点

先週、「実践営業塾」が開講した。20代から30代の若い塾生が大久保塾長と向き合い、一語も聞き漏らすまいと耳を傾ける光景に、次代を背負う姿が見て取れた。褒めすぎかもしれないが、同年代の人たちが遊ぶ時間帯に、「現状に満足せず自分の課題を明確に意識して、塾でその糧を得ようとする」塾生それぞれの意欲を買いたい。 月1回、2時間なので、1日換算でわずか4分であるが、恐らく5年、10年後には本人にとって大きな財産になるのではなかろうか。大久保塾長によると、現在の業界は成熟期を過ぎ「揺籃期」に差し掛かっているという。新しい市場が創出する時代を迎え、現状を打破する力を備え切り拓く人が求められている。 堺屋太一…