混沌時代の販売情報力 黒川想介 商談テーマの管理は活用法がポイント

電気・電子部品やコンポを扱う営業でも、パソコンが広く使われだしてから商談テーマ管理をするようになった。大型案件、システム案件や面白い案件を発掘して受注を目指すための管理手法としては、大変有効であると思う。メーカーの直販や大手商社の担当する民生用・業務用市場、それにシステム対応が求められるユーザー市場には必要な管理手法である。 顧客の特性や販売する商品の特性が、商談テーマ管理に合っているからである。現在ではどの営業会社も商談テーマ管理を導入しているが、本当に生産性は上がっているのだろうか。産業設備市場や中・小の業務機器市場向けに販売している大半の販売会社が、現在行っているような商談テーマ管理は、…


分岐点

春や秋の心を和ませる期間が短く感じられ、四季がかすれてきたように思える。5月を目前にしながら、夜間の冷え込みは暖を取りたくなるほど。緊張の解れる時間が短くなる現象は、業界にも見ることができる。安定成長期が僅かになり、上下動が間断なく襲う。緊張の連続である▼この5月からガソリンが一斉に大幅に値上がりする。樹脂、銅、鉄鋼など原材料も価格引き上げを実施する。原材料の高騰はほぼ3年毎に現れる。2004年は原油、鉄鋼などが98年に比べ2・5倍になった。そして、記憶に新しい07年から08年にかけての世界的規模による急騰である。大不況に突入した▼先を思うと嫌な気分である。前回は原材料費の上昇を中間財で吸収さ…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 顧客情報把握こそ勝利の戦術

情報というのは、案件や商談テーマと同義語ではない。しかし、制御部品や電子部品のような部品の営業では、「何か良い情報はないか」という問いに対して、案件や商談テーマを意味するものとして答えている。営業一般はそうであるが、特に部品営業の目標は商談発掘よりも、まず売り上げ額ありきである。したがって日頃の販売員間の仕事上の話題は、売り上げ目標に対してどうなっているかであり、営業会議の主題も売り上げ額の確保である。 そのため日頃から上司と部下の間や、メーカーと販売店の間で使われる情報ということになると、売り上げに直結する案件や商談テーマのことになってしまう。孫子は「己を知り、相手を知れば百戦して危うからず…


分岐点

先週末は真冬並みの気温が、雨を夜半には氷雨に変え、薄着の樹木は風雪に新芽を守ろうと耐えていた。同時刻に、欧州ではアイスランド氷河の火山噴火で各国の空港が閉鎖された。氷河という言葉が頻繁にニュースに登場する▼今年の新社会人もまた就職氷河期といわれた。ただ、こちらの氷河期は若者に逞しさを育み、企業から期待を持って歓迎されている。三菱電機が新入社員を対象に行ったアンケートでは、社会人に必要な要素に、45・4%が「責任感」と回答。「コミュニケーション力」41%、「向上心」26・4%も多い。「責任感」は5年前より約10ポイント増えている▼仕事をする目的は「人間的成長」34・4%、「社会貢献」32・6%、…


分岐点

制御機器や電子部品の受注内容に変化が出ている。これまでは、即納品を要求されていたが、最近は2~3カ月先の見積もり依頼や発注予約が増えている。ユーザーにまで部品不足の情報が行き渡っている証左であろうが、商社では仮需発生に対する警戒感が広がっているようだ▼現に、ある装置会社の購買担当者は、受注が増えてきたなかで部品確保のため先行手配せざるを得なくなったとして、複数の商社に見積もり依頼を出していると話す。これに対し、各商社はメーカーを探し、価格や納期の交渉をする。メーカーも手間がかかる。商社では例え受注につながっても、これにかかる時間と利幅を計算すると間尺に合わないケースが出ている▼もっとも、メーカ…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 相手を読み手段を施せば成功する

「兵は詭道なり」という孫子の戦術論を噛みしめれば、本当に面白い。前回紹介した源義経の壇ノ浦の戦いでの詭道ぶり、「賽は投げられた」で有名なローマの将カエサルのファルサス野の戦いでの詭道ぶりなどを知れば、「兵は詭道なり」の面白さがわかるというものである。 もう一つ、孫子のお膝元の中国で有名な詭道を紹介してみよう。かの有名な背水の陣である。背水の陣という言葉はあまりにも有名であるが、一般的に使われているのは、劣勢になった味方が逃げ道を断って死にもの狂いで戦うといった意味で使われている。背水の陣の戦いは20万人の兵対2万人の兵の戦いであり、河を背にして逃げ道を断って、死にもの狂いで戦っても勝てるとは思…


分岐点

社員10人ほどの配電制御システム会社の創業者社長に会った。その日は、ごみ処理場の50メートルのライン据付けに社員が出掛けており、社長自ら煎じていただいたお茶をすすりながらじっくり話が聞けた。とにかく現場を良く知っている方で、電気制御系はおろか機械設計に関しても驚くほどの知識を身に付けている▼お客から制御盤の設計図面をもらっても納得しない。実際に機械メーカーに赴き、そのあと実際の生産現場を訪問して生産設備の稼働時を想像する。それからやっと設計に取り組み製造する。据付けた後は何度も現場に行く。まるで、かわいい息子が働いているのを確かめるような気持ちで、制御装置や生産ラインを見て回る▼まさに「職人」…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 セオリー逸脱の販売思考も

戦場において、それほどの兵力の差がない場合には、古来から優れた戦術を駆使した方が勝ってきた。特に優れた天才的な戦術家が現れた場合には「寡兵(かへい)よく大軍を破る」と言われているように、少数の兵力や弱い兵力をもって、大軍や強い軍を破るというように歴史上を賑わしてきた。 孫子が言った「兵は詭道なり」を、地でいった戦術の例を挙げてみよう。まず、日本の天才・源義経が壇の浦で平家を破った戦いは、水軍の平家に対し陸軍の源氏が取った戦術である。12世紀の戦いはまだ弓矢で勝負がつく時代だった。源氏700隻、平家500隻と兵力では源氏が優っていた。しかし舟の上の弓矢の命中率は、水軍の平家の方が断然優れていた。…


分岐点

長年業界にいて身に付いた体感則が崩れてきた。過去は不況時から立ち上がる制御機器の時期について、電子部品業界から約6カ月遅れることを前提に予測できた。今回は両業界ともほぼ同時期に受注・生産が増えている。設備投資動向の先行指標といわれる機械受注も同じ傾向にある▼新築件数の増加が家電品の買い替えにつながり電子部品の需要を喚起。これら業界の生産設備投資により制御機器が回復するので時差があった。近年は、家電品に追随して電子部品業界が生産投資を中国など海外で行うため制御機器国内市場との連動性が弱くなり、体感則が当たらなくなった。電子部品の入手難も予測の狂いがひとつの要因▼制御機器業界は部品不足に加え金属材…


分岐点

一昨年からの不況は否応なしに構造の変革をもたらしているようだ。これまで2次、3次下請け製造業として使用した製造設備と人の再利用へ受託生産を標榜する会社が増えてきた。単なる生産を受託するのではなく、開発から請け負う傾向になっている。設備と人材の両面で如何に優れているかを競っている▼こうした受託生産企業の多くは量産技術を強調している。ある会社は音響機器で年間100万台以上を生産してきた実績を踏まえ、アジアでの生産設備を誇示している。アジア市場進出を目指す製造業の投資額抑制には確かに効果は上がるが、国内で小ロット対応の受託生産を行う方が固有の技術を活かせるし海外流出を防げるのではないかと一面思う▼製…