分岐点

一昨年からの不況は否応なしに構造の変革をもたらしているようだ。これまで2次、3次下請け製造業として使用した製造設備と人の再利用へ受託生産を標榜する会社が増えてきた。単なる生産を受託するのではなく、開発から請け負う傾向になっている。設備と人材の両面で如何に優れているかを競っている▼こうした受託生産企業の多くは量産技術を強調している。ある会社は音響機器で年間100万台以上を生産してきた実績を踏まえ、アジアでの生産設備を誇示している。アジア市場進出を目指す製造業の投資額抑制には確かに効果は上がるが、国内で小ロット対応の受託生産を行う方が固有の技術を活かせるし海外流出を防げるのではないかと一面思う▼製…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 営業に個人的戦術思考が必要

ローマが都市国家から始まって広大なローマ帝国を築けたのは、いろいろな因があると思うが、ローマ軍の強さと現代の世界にも大きな影響を及ぼしている政治の仕組みの2本柱が要因であると思われる。特に、ローマ軍の強さは戦略の要である司令官の存在と戦術の要である軍団長の存在、そして戦闘時の要である百人隊長の存在であった。 相手に勝つために戦略を練ったり、この戦術でいこうと決めたりする武将には、素質が大きく作用するようであるが、戦場で戦闘をやり抜く兵士達の強さは素質以外が大きく物をいう世界である。たゆまぬ訓練はもちろんのこと、それ以上に戦場での勢いが勝敗を決することになる。 兵士達の義務感・欲望・衝動など、さ…


分岐点

バンクーバー五輪の男子フィギュアスケートに出場した織田選手がフリー演技中に靴紐が切れた。出番直前に紐が切れているのを見つけたが、代えることによる不安から、紐を結んで演技に臨んだという。結果は7位に終わった。判断の難しさと判断を間違えて決断、実行したときの結末を教えてくれた▼東芝西田厚聰会長の講演を聴く機会があった。西田氏は「グローバル化の中でも経営の基本は変わらない。変化の本質を見極めながら、判断そして決断し断行することである」。そして「企業の最大の課題は判断力。もう1人の自分を置き自分を客観的に見たり、いろいろな人の立場で物事を見る力を身に付けること。それには教養が大切」と▼判断・決断・断行…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 個人的戦略思考の準備

グローバル化が叫ばれて久しい感がある。その間に、国内の製造業の事業所数は激減してきた。海外に移転した企業や中・後進国の方が有利な事業は国内から姿を消してきた。 ある統計によると、10年前に従業員4人以上の事務所が37万3000カ所あったが、07年には25万8000カ所に減っているという。一方、製造品出荷額は10年前は305兆8000億円であったが、一時269兆3000億円まで減少し、その後じわじわと回復し、2007年には335兆8000億円に増加している。ということは一事業所当たりの出荷額が、増加していることになる。これは生産性のアップだけでなく、新しい技術による付加価値の高い新製品の増加でグ…


分岐点

スーパーの食品売り場では、相変わらず包装された食品の裏表をじっくり見ている人が多い。欲しいものがあっても「××産」と記載されていると、次の物に手を伸ばす。そして、「○○産」を認めるとさっと買い物カゴに入れる。最近では地元産直のコーナーが設けられ、丁寧に生産者の顔写真まで掲示されている▼それほどまでに消費者はこだわっているのだから、植物工場産の明記があれば安心すると思うが、狭い範囲で調べた限り見当たらなかった。もっとも、植物工場は昨年3月時点で50カ所と少ない。経済産業省では3年で150工場を目指し、工場立地法の改正、補助制度、自動制御技術の開発など手を尽くしている▼京都の亀岡プラントは宅地、千…


分岐点

定年退職した方と会った。悠々自適の生活と思っていたが、ノートを見てびっくり。図式がいろいろ書き込んであり、忙しさを楽しんでいる様子である。平日の夜や土曜日の昼間、小さな会社同士が取り組んでいる新製品開発の現場にいることが多い。何よりも面白い時間だという▼なぜ夜なのかと聞くと、通常の仕事をこなしたあと、職人兼経営者が好き勝手に集まり喧々諤々(けんけんがくがく)しながら試作するからだ。そこに顔を出し、一緒になって取り組むが、「仕事」との感覚はなく、時にはいつ帰ってくるのかと家族から携帯電話にかかってくるほど時が経つのを忘れて遊んでいる、とは本人の弁▼ 市場を創り上げてきた年配者にこのタイプが結構多…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 顧客に必要を喚起する工夫

各社が永続的に売り上げを拡大し、販売競争の大競争時代を生き残っていくには戦略が必要なことは明白である。戦略を欠き、戦闘力を強化しても一過性の勝利のみに終わって継続的な勝利は続けられなくなる。成長ができないのである。戦略や戦術といった耳慣れた言葉は、販売競争を指揮する上位者が考えればいいだけでなく、営業現場の最前線にいる販売員も個人的戦略思考は持たねばならない時代に入っている。 それでは、個人的戦略思考に基づく営業活動とはどのようなものかを考えてみる。まず営業活動をするにあたって2つの心得を銘記すべきである。1つ目は、とにかく「取りあえず○○するという考えは捨てること」である。取りあえずと考えて…


分岐点

ある知人から、略称「SA」とは何かと尋ねられた。当然の顔をして、ショップオートメーションと答えたら、ドイツなどでは「サービスオートメーション」というと言われた。寡聞にしてまったく知らなかったが、構造をクラス6段階に分けた概念がすでにできているそうだ▼サービスオートメーションには介護分野やメンテナンス分野が入るのだろうか。サービス分野では、言葉を含む音声技術、無線・通信技術がどんどん加味された新たな自動化システムが登場している。センサーも3次元タイプが求められる。そして、新規格が制定される。ドイツ、フランス、イギリスなどは先を行く▼欧米は保険、環境、化学物質や安全規格でもそうだが、次から次へと新…


分岐点

「育て!期待の新芽」は休みます。 制御機器業界では国内市場縮小の中でモノが造れないという不可解な現象が昨秋から起こっている。電子部品の入手難が原因である。部料も不足し始めた。あるメーカーでは役職者まで動員して電子部品の調達へ東奔西走しているが、数量の確保は困難なようである▼電子部品各社は一昨年末から昨年初にかけて大幅な生産縮小を行ってきた。ところが、世界主要国の景気刺激策により想定以上の速いテンポで液晶テレビ、パソコン、携帯電話などが立ち上がったため電子部品の需給が逆転した。電子部品各社は当然のことながら大量使用者を最優先し、制御機器業界向けが後回しにされた▼ 昨12月に閣議決定した6分野の成…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 販売員の個人的戦略思考が重要

営業関係者の間で、しばしば戦略や戦術という言葉が使われる。明確な概念をもって使っているかどうかは別にして、それぞれの立場で営業にまつわる考え方・方針や手段などを包括して使っているようだ。もともと戦略や戦術という言葉は、戦争用語である。営業活動も他社との戦いであり、またサービスや商品の普及活動は、戦場における陣地の奪取さながらであるからよく使われるのである。 本来、戦争用語として使われている戦略の概念は、戦争の目的を達成するために最少のリスクで最大の戦果をあげるための準備や活動であり、戦略実行によってあがってきた戦果を、更に活用していく策略という考え方である。戦術の概念は、戦略にもとづいた戦闘力…