続・大競争時代の宿題 歴史から学ぶ新たな戦略 相手の表情・態度・状況を読むこと 黒川想介

子供の頃に知らない人と話をしてはいけませんと教えられて育ったせいか、成長しても隣にいる人に話かけたり、かけられたりすることに慣れていない人が増えているようだ。それでも人は孤独を求めず、マズローの5段階の欲求が示すように、人は生存や安全の欲求が満たされれば、次にどこかのサークルに所属したいという所属の欲求が生まれる。1人では生きられないということだ。 だから人は誰かに寄り添ったり、なんらかの団体に寄り添って生きていくのであり、寄り添う相手や団体によって人の人生は変化していく。人が生きる社会は厳しく、その厳しい社会を渡っていく時に人はほっとする安堵感を感じる場所を求める。それが所属の欲求であろう。…


分岐点

国内総生産で世界2位の座を中国に奪われ、大騒ぎになっている。中国の経済力に対し脅威論さえ出ているが、ところが研究者の数ではとっくに追い抜かれている。研究者の数はその国の経済力を支えるひとつの指標として捉えることができるので、研究者や技術者を養成する政策が重要である。 文部科学省の調べによると、06年の研究者の数は、中国122万3756人、日本81万9931人である。07年は中国が20万人増加の142万3381人に対し、日本は82万6565人で、その差が開いている。ちなみに、EU―27では06年134万2116人、07年131万4201人である。 世界の研究開発投資に対するシェアは、06年では米…


続・大競争時代の宿題 歴史から学ぶ新たな戦略 黒川想介 商品カタログは販売員ツール

電気部品や制御機器の販売員が、顧客を訪問する時に携帯する大事なツールは商品カタログである。ベテランの販売員でも、まだ一度か二度ぐらいしか会っていない技術者にどんな商品カタログを持って行けばいいのか多少考え悩む。新商品であれば、何でもいいというわけにはいかないからだ。これが既に顧客となっている技術者であれば、一応話のネタに新商品を紹介すればよいので、新商品が発売になればとにかく紹介がてらの訪問ができる。商品カタログは、販売員にとって大事なツールであるように顧客や見込み客にとっても知りたい情報である。 売り手側、買い手側が双方ともに見せたい、見たいという利害が合致しているなら訪問営業は心理的に楽で…


企業リスクマネジメント第61話~「仕事」ではなく、「作業」をしていませんか~

仕事柄、多くの経営者の経営理念や信条を聞く機会がある。 それは経営者によって様々であり、その内容がいかようであれ、総じて言えるのはどれも個人の生き様があり、机上の理論でないということである。評論家でなく実践家の話は力強く、現実的で、いつも勇気をもらっている。 先日、製品安全業界の社長仲間の会話で、安全試験をウイットにした面白い会話があった。アブノーマルコンディションテストでオーバーカレントをした時に、どのヒューズが短絡するのか。これは電気製品の異常状態試験の様子の話だが、これを「組織」回路に置き換えたら、オーバーワークや異常な状態を与え続けると誰が切れるか?というものである。切れた部分が組織的…


分岐点

御屠蘇を飲んでそのまま寝入ってしまい、真夜中に寒さで目が覚めた。気温は氷点下近い、あわてて電気暖房を点けた。布団にもぐりこみながら、電気の有り難さをつくづく感じているうち、世の中は何もかもがオール電化になることを確信し、再び起きて備忘録帳に「まさに電気制御の時代到来」と記入した。 電気にも良い電気と悪い電気がある。良い電気にするには、「電気を制御」する高度な送・配電技術が必要である。良い電気を配・分電した後は、電気を効率良く使いモノを動かす「電気で制御」する技術の領域になる。いずれも配電制御システム業界、電気制御業界にかかわり、社会的使命と役割は大きい。 日本は今、高度な豊かさを求める段階開発…


混沌時代の販売情報力 格好の悪さを武器に本音を誘う 黒川想介

中国では悠久4000年の歴史は、夏王朝から始するとされている。考古学的に実在が確認されているのは、紀元前17世紀の殷王朝からである。文献によれば殷王朝は紀元前21世紀に成立した夏王朝を倒したことになっているが、日本では夏王朝を伝説の王朝としている。それにしても中国の歴史書・魏志倭人伝が女王卑弥呼のいた邪馬台国の様子を伝えたのは、紀元2世紀後半から3世紀の中頃である。 当時の日本の邪馬台国の状況を思うと、中国の歴史はまさに悠久である。殷王朝のあとにできた王朝が周である。釣り好きな人に知られている太公望は、周で大活躍した軍師である。その周も前8世紀になると力が弱まり、周王室は名目のみの王朝となって…


分岐点

昨年は、2008年の世界同時不況を引き摺って幕を開けた。1月に米国でオバマ大統領が誕生し、日本では8月に民主党が政権を手中にした。産業界では世界最大の自動車メーカーGMが破綻、日本では環境・省資源・省エネルギー・代替素材に一斉に目が向けられた。各国の積極的な財政投融資で、後半から景気回復の動きが出始める▼今年は、1月に日本航空の会社更生法申請で始まり、チリ大地震、上海万博、小惑星探査機「はやぶさ」帰還、記録的な猛暑、中国レアアース輸出制限、15年振りに1ドル80円台を付けた円高など話題は多い。電子部品、制御機器業界は回復が続き、一部で納期遅れも発生。秋から受注量が鈍化しているが、昨年よりは明る…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 まず顧客に興味や関心を示す

己を知り、相手を知って戦えば百戦しても負けることはないと言ったのは孫子の兵法書である。日々営業戦線で戦っている電気部品やコンポーネント販売員も確実に成果をあげるには、同様に己を知り、相手を知らなければならない。己の力量がどのぐらいあるのか、相手のことをどのぐらい知っているのかが成果に反映するということなのだ。 己の力量とは、販売員個人だけでなく、個人の所属する会社の力量が大きくかかわってくる。相手を知るということも関係のある顧客個人だけでなく、顧客全体やもっと広く視野を広げて業界や市場を知ることにかかわってくる。 販売員が見込み客を相手に営業活動をする場合と、既に顧客となっている人を相手に営業…


分岐点

3年前、上海浦東国際空港駅と龍陽路駅間のリニアモーターカーに乗った。社内電光表示板の数値がぐんぐん上昇する。期待していた時速400キロを超えたときは快感であった。初めて400キロの速さで見る窓外の景色の流れは、動体視力が追いつかないほど。横揺れも思いのほか少ない▼中国新幹線がテスト走行で時速486・1キロを記録した記事が日刊紙に掲載されていた。記者が驚いたのは速度よりも「中国の“パクリ新幹線"」の見出しである。記事には「車両はデザインも技術も日本の新幹線の“模倣"ばかり。そこには触れず、海外市場に売り込む作戦」との件も。知的財産権が侵されているかどうかまでは踏み込んでいない▼「模倣」という文字…


混沌時代の販売情報 黒川想介 顧客にしゃべらせる方法を

制御部品やコンポーネント営業が力を入れてきた売り方は、時代とともに変遷してきた。商品PR営業時代、アプリケーション営業時代、芋づる営業時代、商品技術習得営業時代、提案営業や課題解決営業時代を過ぎ、21世紀に入ると顧客満足営業を標榜する時代になってきている。 制御部品やコンポーネント営業の見込み客は技術者である。時代の経過とともに販売員の顧客となっている技術者の技術は、より高度になってきた。そのような背景があって顧客満足営業と言えば、現在では商品技術に精通した顧客対応力と同義語のように思われている。販売する商品の勉強を徹底し、商品や周辺の技術を習得し、技術者の問い合わせに答えられることや、販売す…