分岐点

制御機器や電子部品の受注内容に変化が出ている。これまでは、即納品を要求されていたが、最近は2~3カ月先の見積もり依頼や発注予約が増えている。ユーザーにまで部品不足の情報が行き渡っている証左であろうが、商社では仮需発生に対する警戒感が広がっているようだ▼現に、ある装置会社の購買担当者は、受注が増えてきたなかで部品確保のため先行手配せざるを得なくなったとして、複数の商社に見積もり依頼を出していると話す。これに対し、各商社はメーカーを探し、価格や納期の交渉をする。メーカーも手間がかかる。商社では例え受注につながっても、これにかかる時間と利幅を計算すると間尺に合わないケースが出ている▼もっとも、メーカ…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 相手を読み手段を施せば成功する

「兵は詭道なり」という孫子の戦術論を噛みしめれば、本当に面白い。前回紹介した源義経の壇ノ浦の戦いでの詭道ぶり、「賽は投げられた」で有名なローマの将カエサルのファルサス野の戦いでの詭道ぶりなどを知れば、「兵は詭道なり」の面白さがわかるというものである。 もう一つ、孫子のお膝元の中国で有名な詭道を紹介してみよう。かの有名な背水の陣である。背水の陣という言葉はあまりにも有名であるが、一般的に使われているのは、劣勢になった味方が逃げ道を断って死にもの狂いで戦うといった意味で使われている。背水の陣の戦いは20万人の兵対2万人の兵の戦いであり、河を背にして逃げ道を断って、死にもの狂いで戦っても勝てるとは思…


分岐点

社員10人ほどの配電制御システム会社の創業者社長に会った。その日は、ごみ処理場の50メートルのライン据付けに社員が出掛けており、社長自ら煎じていただいたお茶をすすりながらじっくり話が聞けた。とにかく現場を良く知っている方で、電気制御系はおろか機械設計に関しても驚くほどの知識を身に付けている▼お客から制御盤の設計図面をもらっても納得しない。実際に機械メーカーに赴き、そのあと実際の生産現場を訪問して生産設備の稼働時を想像する。それからやっと設計に取り組み製造する。据付けた後は何度も現場に行く。まるで、かわいい息子が働いているのを確かめるような気持ちで、制御装置や生産ラインを見て回る▼まさに「職人」…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 セオリー逸脱の販売思考も

戦場において、それほどの兵力の差がない場合には、古来から優れた戦術を駆使した方が勝ってきた。特に優れた天才的な戦術家が現れた場合には「寡兵(かへい)よく大軍を破る」と言われているように、少数の兵力や弱い兵力をもって、大軍や強い軍を破るというように歴史上を賑わしてきた。 孫子が言った「兵は詭道なり」を、地でいった戦術の例を挙げてみよう。まず、日本の天才・源義経が壇の浦で平家を破った戦いは、水軍の平家に対し陸軍の源氏が取った戦術である。12世紀の戦いはまだ弓矢で勝負がつく時代だった。源氏700隻、平家500隻と兵力では源氏が優っていた。しかし舟の上の弓矢の命中率は、水軍の平家の方が断然優れていた。…


分岐点

長年業界にいて身に付いた体感則が崩れてきた。過去は不況時から立ち上がる制御機器の時期について、電子部品業界から約6カ月遅れることを前提に予測できた。今回は両業界ともほぼ同時期に受注・生産が増えている。設備投資動向の先行指標といわれる機械受注も同じ傾向にある▼新築件数の増加が家電品の買い替えにつながり電子部品の需要を喚起。これら業界の生産設備投資により制御機器が回復するので時差があった。近年は、家電品に追随して電子部品業界が生産投資を中国など海外で行うため制御機器国内市場との連動性が弱くなり、体感則が当たらなくなった。電子部品の入手難も予測の狂いがひとつの要因▼制御機器業界は部品不足に加え金属材…


分岐点

一昨年からの不況は否応なしに構造の変革をもたらしているようだ。これまで2次、3次下請け製造業として使用した製造設備と人の再利用へ受託生産を標榜する会社が増えてきた。単なる生産を受託するのではなく、開発から請け負う傾向になっている。設備と人材の両面で如何に優れているかを競っている▼こうした受託生産企業の多くは量産技術を強調している。ある会社は音響機器で年間100万台以上を生産してきた実績を踏まえ、アジアでの生産設備を誇示している。アジア市場進出を目指す製造業の投資額抑制には確かに効果は上がるが、国内で小ロット対応の受託生産を行う方が固有の技術を活かせるし海外流出を防げるのではないかと一面思う▼製…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 営業に個人的戦術思考が必要

ローマが都市国家から始まって広大なローマ帝国を築けたのは、いろいろな因があると思うが、ローマ軍の強さと現代の世界にも大きな影響を及ぼしている政治の仕組みの2本柱が要因であると思われる。特に、ローマ軍の強さは戦略の要である司令官の存在と戦術の要である軍団長の存在、そして戦闘時の要である百人隊長の存在であった。 相手に勝つために戦略を練ったり、この戦術でいこうと決めたりする武将には、素質が大きく作用するようであるが、戦場で戦闘をやり抜く兵士達の強さは素質以外が大きく物をいう世界である。たゆまぬ訓練はもちろんのこと、それ以上に戦場での勢いが勝敗を決することになる。 兵士達の義務感・欲望・衝動など、さ…


分岐点

バンクーバー五輪の男子フィギュアスケートに出場した織田選手がフリー演技中に靴紐が切れた。出番直前に紐が切れているのを見つけたが、代えることによる不安から、紐を結んで演技に臨んだという。結果は7位に終わった。判断の難しさと判断を間違えて決断、実行したときの結末を教えてくれた▼東芝西田厚聰会長の講演を聴く機会があった。西田氏は「グローバル化の中でも経営の基本は変わらない。変化の本質を見極めながら、判断そして決断し断行することである」。そして「企業の最大の課題は判断力。もう1人の自分を置き自分を客観的に見たり、いろいろな人の立場で物事を見る力を身に付けること。それには教養が大切」と▼判断・決断・断行…


混沌時代の販売情報力 黒川想介 個人的戦略思考の準備

グローバル化が叫ばれて久しい感がある。その間に、国内の製造業の事業所数は激減してきた。海外に移転した企業や中・後進国の方が有利な事業は国内から姿を消してきた。 ある統計によると、10年前に従業員4人以上の事務所が37万3000カ所あったが、07年には25万8000カ所に減っているという。一方、製造品出荷額は10年前は305兆8000億円であったが、一時269兆3000億円まで減少し、その後じわじわと回復し、2007年には335兆8000億円に増加している。ということは一事業所当たりの出荷額が、増加していることになる。これは生産性のアップだけでなく、新しい技術による付加価値の高い新製品の増加でグ…


分岐点

スーパーの食品売り場では、相変わらず包装された食品の裏表をじっくり見ている人が多い。欲しいものがあっても「××産」と記載されていると、次の物に手を伸ばす。そして、「○○産」を認めるとさっと買い物カゴに入れる。最近では地元産直のコーナーが設けられ、丁寧に生産者の顔写真まで掲示されている▼それほどまでに消費者はこだわっているのだから、植物工場産の明記があれば安心すると思うが、狭い範囲で調べた限り見当たらなかった。もっとも、植物工場は昨年3月時点で50カ所と少ない。経済産業省では3年で150工場を目指し、工場立地法の改正、補助制度、自動制御技術の開発など手を尽くしている▼京都の亀岡プラントは宅地、千…