製造業・世界と戦う担い手づくり エキスパート待望 (26)

技術者にとって回避したい丸投げ思考 技術者は抱え込む方が多い 技術者の多くは気質として自ら業務を抱え込んで何とかやり切る、という方が全般的に多い傾向があります。過去にもコラム「人に聴くということを覚えさせる」でその対策をご紹介したことがあります。 これはこれで、変なプライドを背後においてもらい、人と協業することを覚えさせることが重要です。しかし、中には全く逆の傾向を示す技術者も存在するということを認識しなくてはいけません。   丸投げする技術者 結論から先に言うと業務を丸投げする方です。左から右に仕事を流すのです。自ら考えて何とかしよう、他の人に聴きながら進めていこう、という考えでは…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (54)

メーカーと販売店の会合体会議 3つの趣旨で意思統一を メーカーの営業会議と販売店の営業会議では、同じ営業という仕事でも内容はずいぶん違う。メーカーの営業には生産部門が深く関わってくるが、販売店営業ではメーカーの営業部門との関わりだから同じ者同士の会議になる。 メーカー営業は生産部門との関わりがあるため、より戦略的な内容の会議も頻繁に行う。販売店営業はメーカー営業との関わりが多いため、より戦術的な会議になる傾向がある。販売店の営業会議は昔も今も大きな変わりはないが、メーカーの営業会議はずいぶん変わってきた。商品別・業種別という専門性を取っているからだ。生産の各部門と営業の各部門が擦り合わせの会議…


基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (15)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その1) 中国工場の問題点を生産の3要素で捉える③ 作業者の定着は誇りと満足度   前回は、定着率が悪化したために従来型作業からの転換ができなかった日系工場の事例を紹介しました。 今回は、作業者を定着させるために何が必要かを考えます。   定着させる-そのために何が必要か 中国の人は会社への帰属意識が薄いと言われています。これはその通りでしょう。そんな中国の人に、少しでも自分の会社、自分の工場と思ってもらいたいものです。それが定着につながり品質にもよい影響を与えることになります。ここでは、作業者の定着に有効な二つの方法を紹介し…


【提言】利他主義を忘れた大手製造業「賀詞交歓会からの警鐘」〜日本の製造業再起動に向けて(47)

毎年恒例の賀詞交歓会が、今年も例年通り全国各地で開かれた。製造業にとっては、極めて絶好調であった昨年に引き続き、本年も明るい賀詞交歓会のはずであるが、大手製造業の賀詞交歓会に参加した中小製造業の経営者からは、「賀詞交換会が形骸化している」といった声が多く聞かれる。 「昔は、大企業トップの年頭の辞には迫力があった」「最近の大手企業経営者の話はピンとこないし、心にも響かない」といった声や、「米中摩擦影響を予測する経済評論家のような話ばかりだ」「企業の戦略など何もないので失望した」といった声が充満している。 バブル崩壊から数十年が経過し、かつて世界で光り輝いた日本製造業の威光は確実に失われており、『…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (53)

幅広い情報や違った視点 技術者とコミュニケーションこそ王道 ICT技術とFA技術をつなぐインターフェース層のことがクローズアップされたのは2015年、ドイツ発第四次産業革命と仰々しく宣伝された頃からである。今後のものづくりはドイツの提唱したインダストリー4.0のシステムになってしまうのではないか。日本は後れを取ってしまったのではと、業界はざわめいていた。 中小の製造現場では、ともかくIoTに着手しなければという方針にとまどいながら、データを取ってみよう、IoTには無線技術も有りだから無線でつなごうなどと言って、従来の改善活動から、やや目をそらした仕事をしている現場が散見された。2015年に急に…


データセンター自動化の虚構と現実

重要なのは、データセンター自動化に向けた 合理的なワークフローが作られるかどうか           Dan DeBacker(ダン・デバッカー) Extreme Networksデータセンター製品担当ディレクター   デジタルトランスフォーメーションが、ビジネスのやり方を再定義しています。IoTデバイスを実現するためのクラウドの必要性から人工知能の革新的な使用法に至るまで、この種の情報がみんなの耳に届いています。しかし、このような輝かしい事柄の裏には、トランスフォーメーションを実現するための最優先事項が隠されています。データセンター…


【寄稿】スマートファクトリーにデジタルな処方的メンテナンスが必要な理由

「スマートファクトリー」、つまり「未来の工場」では、めまぐるしく変化する破壊的なテクノロジー が製造プロセスに持ち込まれており、それによって、オペレーションおよび変革についてのメーカーの考えかたを変えようとしています。製造部門がデジタル面での大規模な移行および変化の時代の先導役を担うようになると、企業は、製造能力の維持および可用性を担保するために、より多くの課題に直面することとなります。 スマートファクトリーにはスマートなメンテナンスが不可欠 あらゆる製造システムでは、メンテナンスが重要なコンポーネントであり、製造組織が成功するために不可欠な要素となっています。メンテナンス管理により、最適なコ…


製造業・世界と戦う担い手づくり エキスパート待望 (25)

ゴールに向かう道筋は一つではない 技術者は数学という共通言語を使いながら、一見複雑な事象を明快に道筋立てて説明することを本質的に得意とします。この傾向は指導にも出る場合があります。より具体的にはあるゴールに導くために、途中経過含めて細かく指導するのです。これはどちらかというと優秀かつ面倒見のいい中堅から若手技術者に多い指導方法です。そういう意味ではこのような技術者の指導を受けられる若手技術者は恵まれていると見るべきでしょう。 とはいえ、課題もあります。今日のコラムではこのような指導方法のどこが問題で、どのようにして若手技術者を誘導すべきなのかを考えてみたいと思います。   細かく指示…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (52)

「変化のないところに成長はない」 自社の顧客の見直しから 言うまでもなく、日本は鉱物資源が少なく、加工貿易で財を確保して資本を形成してきた。戦後は資金不足で原料を輸入するのもままならなかった。そのため、日本の山々に少量ずつ眠っている様々な鉱物を、至る所で採掘していたほどである。その少ない鉱物を加工し、付加価値を付けて輸出し、資本をつくってきた。そのためには技術がいる。技術を一丸となって磨いてきたことが高度成長の要因となった。 当時は、世界の資本が現在ほど潤沢でなかった中で、かなりの速さで工業化を成し遂げることができたのは技術力のおかげだ。1964年の東京オリンピックの頃の付加価値の統計であるG…


基礎から学ぶ中国工場管理~実例で学ぶ管理のポイント~(14)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その1) 中国工場の問題点を生産の3要素で捉える② 激しい作業者の入れ替わり 今回は、ある日系中国工場で取り組んだ事例を紹介します。この日系工場では、従来型の作業からの転換を目指しました。 従来型の作業と目指した形の違いを表に示します。 従来型作業というのは、前回書いたような「単純化・標準化、マニュアル通り、熟練不要」のことです。目指した形というのは、作業を「複数化・組合せ」するセル生産型の作業になります。そのためには作業者のスキルアップと熟練が必要になり、熟練が達成できれば、そこにはノウハウが蓄積され会社の財産になると考えた訳です。 一方で次の…