基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (22)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その3) 中国工場の問題点を生産の3要素で捉える③ 費用対効果に必要な苦労と覚悟   Material(部品・材料) 中国に進出した日系企業ですが、当初は生産に投入する部品や原材料を日本から送り込んでいました。しかし、日本からの運賃などの費用を考えると、思ったほどのメリットが得られません。加工賃だけでは競合と差別化できなくなってきたという事情もあります。自分のところが後追いで中国に出た場合もあるでしょう。 そのようなことから中国現地で調達できる原材料や部品を使用することになったのです。これがいわゆる現地調達です。 現地調達も最初は日系中…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (59)

複雑で情報過多の時代 意識して草創期に学ぶべき 営業マンは毎日が戦いの中にいる。目の前にある案件をものにするために、目の前にある競合商品を切り替えるため、新しい商品を採用してもらうために、毎日、戦っている。 案件、競合、新商品といった目の前の売り上げを目指して活動していると、攻めている営業をしているように思ってしまう。当然、そのような営業行為は攻めの範疇(はんちゅう)ではある。 しかし時期によっては同じ行為も守りになる場合がある。特に時代の環境が変われば、攻めているように見える営業も守りの営業になる。   FA機器や電子機構部品業界の勃興期から成長期に移っていく時に、営業が目先を追い…


【提言】中国『一帯一路』の運命は? 「最先端技術分野で活路を求める中国」〜日本の製造業再起動に向けて(50)

皆さんは『中国』にどんなイメージをお持ちだろうか? 反日や中国人観光客の振る舞いに嫌悪感を抱く人も多いし、米中経済戦争の行き先や、中国経済の衰退に頭を悩ましている人もたくさんいらっしゃるだろう。 私は今、6年ぶりに訪れた北京でこの原稿を書いている。思い起こせば、私が初めて北京を訪れたのは40年近くも前の事である。その当時、北京の市民は「人民服」と呼ばれる国家の制服着用が強制されており、われわれ外国人は外貨兌換券(だかんけん)という外貨から交換できる紙幣を使用し、外国人のみが入れるホテルやレストランを使い、現地人とは完全遮断された出張生活を送っていた。ビジネス交渉は限られた場所で、公安による監視…


基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (21)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その3) 中国工場の問題点を生産の3要素で捉える② 目指す「技術レベル」を明確に   設備・機械のオペレーションノウハウの続きです。 ②消耗品や摩耗品の管理 消耗品や磨耗品の管理も重要です。特に摩耗品の管理が不十分で不良になったという事例を中国で数多く経験しました。 日本の工場では問題なくできていた摩耗品の管理が、中国工場ではできていませんでした。この管理ノウハウも落とし込まれていないのです。今一度自社工場でのこの管理体制をチェックしてみてください。   ③メンテナンス管理 機械の可動率を上げる、品質不良を発生させないためには…


製造業・世界と戦う担い手づくり エキスパート待望 (28)

新入社員の技術者育成において徹底すべきこと 若手技術者の中で特にまっさらな状態ともいえる新入社員。夢と希望に満ち溢れた新入社員というのは組織の代謝に必須であり、またその後の成長を後押しする重要な要素となります。今日は入社1年目のいわゆる新入社員である技術者の育成について、徹底すべきポイントについて述べてみたいと思います。   指示事項を理解し、業務を進めることこそが大前提 若い方は確かに柔軟な観点があります。中にはなるほど、そういう考え方もあるのか、というものもあるかもしれません。しかし私の経験上、そのようなケースは極めて稀です。 実践経験がほとんどない入社1年目の新人技術者の発想や…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (58)

時代に則した戦略が必要 報われぬ成長期の営業踏襲 FA機器や電子機構部品の販売店は、日本の製造業の発展と共に歩んできた。製造業は1973年の第一次オイルショックと79年の第二次オイルショックを省エネ技術で乗り越えて、自動制御技術を大いに発展させた。この時期に工場に出入りする多くの販売店が誕生した。 80年代には半導体、電子部品の発展によって電子化した商品が大量に生まれ、電気、電子産業が日本の産業の中核となり、製造業はバブル期を迎えた。この時は東京・秋葉原を中心に再び多くの販売店が誕生している。 日本の製造業の興隆期に誕生してきた販売店には栄枯盛衰があり現在に至っている。成長、横ばい、消えていっ…


基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (20)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その3) 中国工場の問題点を生産の3要素で捉える① 「日本のノウハウ」生かし切れない 中国工場に生産を移管したときにどの企業でも直面するのが品質問題です。日本で問題なく生産していたものでも中国生産では同じ品質になりません。 中国工場の品質はなぜ悪いのかを生産の3要素(3M)を切り口として考えます。 生産の3要素とは、ご存じの通り ■人(Man) ■機械(Machine) ■材料(Material) のことです。 前回までは、人(Man)について考えてきました。今回からは、機械(Machine)と材料(Material)に関する要因について考えてい…


【提言】景気減速に怯える日本製造業「英国EU離脱の影響とその本質とは?」〜日本の製造業再起動に向けて(49)

『景気判断、3年ぶりの下方修正』の政府発表に世論が揺れている。3月20日の政府月例経済報告で国内の景気判断は、『穏やかに景気回復している』との基調を維持しつつも『一部に弱さが見られる』とし、3年ぶりの下方修正を発表した。 この背景には、輸出企業の不振がある。中国向けの受注が衝撃的な突然の急落となり、この影響で電機メーカーを中心に軒並み業績予想を引き下げざるを得ない状況となっている。 今回の政府発表は、輸出製造業の苦境が反映された下方修正と言っても過言ではない。日本経済の内需に焦点を当てれば、所得や雇用環境の改善傾向は続いており、国内個人消費や設備投資も増加傾向にあり『日本経済は穏やかに回復して…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (57)

営業スキルより営業センス 経験的能力の磨きが大事 和語と言われる日本語の文字には、ひらがなとカタカナがある。カタカナは外来語に使われるためにつくられたものではないが、現在では一般的に、外来語はカタカナが使われている。明治に外来語が入ってきた時には、意味を理解して日本語に直していた。リバティは「自ら由(自由)」としたように。昭和になってもデパートメントストアは百貨店であったし、日本になかったコーヒーも珈琲という字をあてた。 戦後、英語がちまたにあふれるようになると、意味を確かめて日本語表記に直すことはあまりしなくなり、英語の発音をカタカナにして表記するようになった。コンビニエンスストアを便利店と…


基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (19)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その2) 中国工場の問題点を生産の3要素で捉える④ 駐在員の片腕は現地スタッフを 前回まで、下表に示した生産3要素のMan(人)の作業者、管理者、経営層について見てきました。 今回は、この表にはない日本人駐在員についても考えてみます。   日本人駐在員 企業のグローバル化が進んで海外工場の成否が日本本社の経営に与える影響は、以前に比べて格段に大きくなっています。つまり海外工場、ここでは中国工場がうまく稼働するかしないか、そして、それを任せている日本人駐在員、特に総経理や工場長がちゃんとやってくれるかどうかが本社としての重要課題のひとつに…