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▼「スモールスタート」という言葉がある。その字面の通り「小さく始める」という意味で、新たな事業やプロジェクトを立ち上げる際は、機能やサービスを限定してはじめ、後に需要に合わせて規模を拡大していくことである。始めるまでのハードルが低く、方向性を変えやすく、撤退という最悪の場合でもリスクが少なくて済む。主にIT分野や起業する際などによく使われる ▼2016年は、「IoTを実行する年」と言われる。昨年はIoTという言葉が盛り上がり、さまざまな情報が飛び交った。これを受けて、今年はそれらを実行する年にしていかなければならないという風潮にある。しかし動きは鈍いままだ。あるIoTプラットフォームベンダーは…


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▼「ガラパゴス」-この言葉を聞いてどんなイメージを持つだろうか? 「世界標準とは違う独自基準を持つ非効率さ」-産業界ではこんな言葉の意味が独り歩きし、悪いイメージが定着してしまっている。でも、果たしてこれは正しいことだろうか? ▼ガラパゴスという言葉は、自ら作り出し、使っているものが周りの大多数とは違っていたからこそ言われる言葉である。誰かの後ろをついて回る状態では決して言われない。その意味では、何かを作り出す技術がある、チャレンジをしたものに対して贈られる“賛辞の言葉”である ▼これからの日本の製造業は、何かを生み出す側に立たなければならない。生産・量産は生産コストの安い新興国に行くのは必然…


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▼人を動かそうとしたら欲求に訴えかけることが不可欠だ。理想的なのは、好意や良い感情によって前向きに取り組んでくれることだが、なかなかそういうわけにもいかないのが難しいところ。美味しいエサがぶらさがっていても、人間はなかなか釣られない。逆に危機感を煽ってみると案外効果的だったりする。特に横並び意識が強い日本人にとっては、他の国がやっている、皆やっているというアプローチが有効だという声も聞く ▼12月2日から東京ビッグサイトで開催されたシステムコントロールフェア2015・計測展TOKYO2015は、IoTやインダストリー4.0の追い風を受け、これまでにない盛り上がりを見せた。これらの取り組みではド…


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▼今日からシステムコントロールフェアと計測展、国際ロボット展が東京ビッグサイトで行われている。いま製造業界で最もホットな話題である「インダストリー4.0」 と「IoT」を実現する“ど真ん中”の技術が集まり、これまでにない盛り上がりになると予想されている。しかし、それらに負けないくらいに力が入っているのが、12月16日から同じく東京ビッグサイトで開催される「SEMICON Japan2015」だ ▼国内の半導体業界の苦境を伝える報道をたまに見かけるが、それは本当だろうか?今後IoTの進展により実社会、産業界で使われるセンサの数は増え、それを処理するコンピュータの数もうなぎ上りに増えていく。それら…


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最近、街中で外国人観光客の姿を多く見かけるようになった。政府観光局が毎月発表している最新の統計によると、2015年2月度は138万人を超え、過去最高を記録したという。14年3月から12カ月連続で100万人を超え、政府の誘致がうまくいっている様子がうかがえ、頼もしい限りだ▼円安の継続など外部要因もあるが、もっとも大きいのは、ソフト面の整備とその効果だ。ビザの緩和や政府によるPRだけでなく、民間でもスタッフやメニューの多言語対応など歩調を合わせて進めてきた。長い歴史に培われた独自の文化と、それを楽しんでもらうための仕組みづくり、さらに日本人の細やかなサービスが組み合わさって、日本を魅力的な観光国家…


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日本企業のアジア進出が急拡大している。経営者向けセミナーでもアジア市場開拓・進出に関するものが盛況で、どこもかしこも「海外展開と言えばアジア」の状態だ。果たして本当にそれが正しいのだろうか?▼神奈川県のある試験装置メーカは、売上に占める海外比率が5割を超え、海外戦略としては成功の部類に入る。彼らは海外売上のほとんどを欧米市場で上げている。アジアはやる気がなく、今後もそれは変わらないという。彼ら曰く「アジア市場の本質は大量生産・大量消費。そこに経営を合わせていると、結局は中国など海外メーカとの体力勝負に陥る。まったく新しい技術やサービス、トレンドを生み出すのは欧米、特にアメリカだ。そこでは新しい…


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日本政府は「日本再興戦略」のなかで、「ロボット革命」によるロボット技術の活用を通じて社会を豊かにしていく方針を決定した。国家の一大プロジェクトとしてロボット産業が明文化されたことは大きな一歩だ▼とはいえ、実現までのハードルはとても高い。あるロボットメーカの社長曰く「技術的には何の問題もない。世間で言われているようなことはすべて実現できる。しかし、問題はロボットを取り巻く”規制”だ。これさえクリアできればロボット産業は急速に拡大していく」と指摘する。具体的な規制とは、例えば道路交通法や航空法における移動型ロボットの取り扱い方、ロボットの遠隔操作や制御に使う電波帯域をどうするかといった電波法との兼…


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ドイツのメルケル首相が7年ぶりに来日した。ドイツと日本は産業構造が似ていることなどから比較されることが多い。今のドイツの話題は欧州で独り勝ちの強い経済力であるが、もうひとつは第4次産業革命とも言われている「インダストリー4・0」の構想を提唱した当事国である。規格などを産官学あげて制定し先行する欧州企業の戦略はいつもながら感心するが、今回の「インダストリー4・0」は規格ではなくコンセプトである▼ドイツに後れを取らないように、同様の構想は米国や日本企業も提唱している。国際規格でないだけに、絶対的なものがあるわけではない。考え方に賛同するかどうかの問題である。それでもドイツのこの動きが気になるのは、…


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IoT(モノのインターネット)やM2M、インダストリー4・0などといった言葉で、製造現場でも外部との情報ネットワークが繋がる時代が日常化してきた。市場の状況や生産の進捗、開発の現況などがリアルタイムで分かるという利点がある半面、外部への情報漏洩の危険性が指摘され、セキュリティーリスクの心配が浮上している。ICT(情報制御技術)抜きで、ものづくりができづらくなっている時代だけに、悩ましい問題だ▼こうした課題解決の切り札ともいえる技術を三菱電機と立命館大学が開発した。LSIの製造段階で生じる個体差を利用し、機器の秘匿と認証を行うセキュリティー技術で、指紋のようにLSI個々に存在する固有のIDを利用…


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個人宅に荷物を配送するサービス「宅急便」を1976年に日本で最初に開始したヤマト運輸の講演を聴く機会があった。子供の頃、荷物を送るのに最寄りの駅まで持って行き、届くとまた駅まで引き取りに行った記憶がある。到着する日時も連絡が来るまでわからない。今のように個人の荷物を自宅まで配達し、あるいは引き取りにも来てくれるのが当たり前の時代と比べると、この40年間の変化は隔世の感がする▼その後もヤマト運輸は、業界に先駆けたユニークなサービスを展開している。同社は、新サービスを始めるにあたり3つの視点を重視しているという。それは(1)そのサービスが人のため、世のためになるか(2)オンリーワンの取り組みである…