FA・ロボットシステムインテグレータ協会と梁山泊

先日、ロボットシステムインテグレータ(ロボットSI)の業界団体である「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」が発足し、その設立記念パーティーに参加した。雰囲気はとても明るく、いたるところで名刺交換する光景が見られ、とても良いパーティーだった。 業界団体のパーティーに参加することはよくあるが、そこでは知り合い同士で固まるケースが多く、今回のように知らない者同士が積極的に人脈を作ろうとするものは珍しく感じた。   ▼ロボットSIはそれぞれ得意分野がある。溶接が得意な企業もあれば、マテハンを多く手がけてきた企業などさまざま。またビジョンを使った画像処理に強い、ハンドに詳しい、あるメーカ…


パンの賞味期限が長くなった最大の要因は製造技術の進化である

毎日のようにいたるところで炎上騒ぎが起きているSNS。ひどい中傷や非難合戦になって目を覆いたくなるようなものもたくさんあるが、素晴らしいと絶賛されるようなやりとりがたまに出てくるから面白い。つい先日も製造業に携わる者として興味深いやりとりを見かけた。 ▼年配者らしきあるユーザーが、パンの賞味期限が長いのは化学物質をたくさん使っているからだという本を読み、「子供の頃に食べたパンは1・2日で腐った。今は1週間たっても腐らない。化学物質まみれだというのは本当か?」というつぶやきをSNSにアップした。これは有名な都市伝説だが、このユーザーもすっかり信じてしまったようだ。このつぶやきに対して同調・反対意…


日本とドイツ、エンジニアの労働意識の違い

働き方改革、生産性向上と日本の製造業が揺れているが、他の国ではどうなのか? 特に現場で働く人はどう考えているのか? 製造業の現場をテーマとした見ル野栄司氏のマンガ「シブすぎ技術に男泣き!」と、フエニックス・コンタクトがコラボした「シブすぎ技術に男泣き!ハノーバーメッセ編」で、ドイツと日本の働き方について興味深い話が出てきたので紹介する。 ▼ブラックなメーカーでエンジニアとして働いていた見ル野氏と、1日10時間以上働いてはいけないという法律のなか、第2次世界大戦後の労働力不足を自動化技術の内製化で乗り越え、それを競争力の源泉まで引き上げた同社エンジニアのハッセ氏。根っこは同じ技術者ながら正反対の…


匠の技とテクノロジー導入

熱戦が続くサッカーのロシアワールドカップ。選手の戦う姿や応援している国の勝敗に目を奪われがちだが、その一方で、今大会ではサッカーの歴史上とても大きな決断が下されていたことは見逃せない。それがワールドカップ初のビデオ判定となる「VAR」の導入だ。VARはビデオアシスタントレフェリーの略で、その名の通りビデオ判定で主審をアシストする。別室で複数の人が映像を見てプレーをチェックしていて、そこで得た情報を主審に伝える。ロシア大会では審判1人とアシスタントレフェリー3人、リプレイ画像を確認するオペレーター4人がチェックしているという。 ▼ビデオ判定の是非について、スピード感が失われる、人間が審判を務め、…


人は城、製造業も人

「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」。戦に勝つためには家臣や領民を含めた周りの人を大切にし、信頼関係を構築することが大事と説いた武田信玄の言葉だ。彼は領民を守るため、攻め込むことで防御とし、国内では戦をしなかったと言われる。また、居城は大きな城ではなく、躑躅ヶ崎館という館だった。家臣も館の周りに住んでいて、近い距離感で人心を大切にしたことがうかがわれる。 ▼最近はブラック企業、パワハラ等が世間を騒がせ、人を大事にする、人に感謝をすることがないがしろにされている状況が次々と明らかになっている。穏やかで優しい人が多く、国としても平和で治安も良い日本というイメージからは程遠い出来事が…


「SIer」は和製英語。世界で通用しない

私は「システムインテグレータ」を「SIer」と表現する風潮が嫌いだ。SystemをIntegrate(統合)する人という意味で、語尾に人を表す-erを付けてSystem Integraterとし、それでは長いのでSIerと略したのだろうが、英語圏における正しい表記は「System Integrator」で、語尾は-orだ。略するのであれば「SI」で良い。今更感のある細かな指摘だが、今だからこそ見逃せない。 ▼2018年7月にロボットシステムインテグレータの業界団体FA・ロボットシステムインテグレータ協会が発足する。日本は産業用ロボットの有力メーカーがひしめき、世界のロボット出荷台数の50%以上…


ロボット導入は次の時代への通過儀礼

春から夏にかけて、梅雨に入る前のこの季節は、自転車で走るのが気持ち良い季節だ。ペダルをこぎ、力を伝え、自転車はそれに応えてスーッと前に進んで行く。吹き抜けていく風が気持ち良い。自転車に乗りはじめて何十年もたつが、今でも飽きることはない。 ▼思えば、自転車に乗れるようになった瞬間、世界は大きく広がった。自転車に乗れなかった頃の自分の世界は、歩き回れる程度のごく近所に限られていた。小学生になって一人で自転車に乗れるようになると、隣の地区や離れた場所まで自転車に乗って遊びに行った。新しい土地で、新しい人々と出会い、新しい価値観や遊びを覚えていった。振り返ると、自転車に乗ることは、子供から大人になるた…


日独の展示会の違いを楽しむ

連休前の4月末にドイツのハノーバーメッセに行き、先週は東京ビッグサイトで行われていたIoT・M2M展を回った。ドイツと日本、土地と人と商習慣が変わると、こんなに展示会の様子が変わるものかと驚きつつ、その違いを楽しむことができた。 ▼ハノーバーメッセは東京ビッグサイトの5倍の広さの会場で行われる。そのため各社のブースは日本よりもはるかに大きく、スペースにも余裕があり、どのブースにも座ってじっくり話せる商談エリアが設けられていた。大手企業の場合、コーヒーや紅茶、ジュース(ビールも!)だけでなく、おつまみや軽食の提供もあり、いたれり尽くせりの高待遇。これは日本では味わえない体験だった。これらは誰にで…


人と機械の能力を引き出す理想の工場

電気自動車の市場を切り拓く尖兵となり、今も市場をリードするテスラモータース。パナソニックと二次電池で協業するなど日本企業とも関係が深いが、ここ最近は株価も下落し、風向きが怪しくなっている。特に量産型セダンモデル3の製造遅れが深刻化し、2017年末に週5000台の生産としていた予定が、18年3月の段階で半分の2500台に止まっている。会長兼CEOのイーロン・マスク氏が工場に泊まり込んで対応するなど、かなり苦労しているようだ。 ▼モデル3の工場は、ロボットをはじめとする自動化装置をふんだんに使った最新の自動化工場としてスタートした。溶接や塗装だけでなく、最終組み立て工程もロボットで自動化したと言わ…


現場セキュリティの盲点 廃棄時こそ最も注意すべし

先日、企業から排出される機密情報を安全に処理して廃棄しようという活動をしているNAID(National Association for Information Destruction)で話を聞いた。企業から排出される紙や不要な資材、機器等の事業系ごみには機密情報が詰まっており、キチンと処理した上で廃棄しないと情報は漏れてしまう。海外ではこうした機密保護には前向きだが、日本は無頓着であまり進んでいないとのこと。セキュリティの重要性は分かっているつもりだったが、廃棄物からの情報漏洩とは盲点だった。 ▼NAIDの話を聞いて、ふと気になったことがある。ひと昔前であれば、機密情報を持ったデバイスはサー…