日本企業の限界突破!ヒントは宇宙船地球号

「宇宙船地球号」。1963年にアメリカの建築家・思想家であるバックミンスター・フラーが提唱した概念で、地球と人類が生き残るためには、世界のあらゆる出来事を地球規模で見ることが大事であるとした。 具体的には、地球は閉じた宇宙船と同じ。限りある資源を有効に使い、閉鎖空間内の汚染も禁止。特にエネルギー問題に関しては、蓄積されて有限の化石燃料ではなく、太陽や風、水など自然エネルギーを使うべきと説いた。   宇宙船地球号は環境・エネルギー問題に絡めて使われる事が多いが、本来はもっと上位の概念であり、あらゆる考えに応用が可能だ。実際に、アメリカのケネス・E・ボールディングは宇宙船地球号を経済学に…


無責任なAIやロボットをうまく使う

ロボットやAIの進化により、残る仕事・なくなる仕事という話をよく聞く。 すでにAIは処理能力だけで言えば人をしのぐ。ロボットも力や繰り返し精度など人より優れた部分がたくさんあり、あと数年もすれば、AIもロボットも人よりも良い動きや仕事をするようになるだろう。 そうなった時、存在しなくなる仕事や職業はたくさんあると思うが、では人がAIやロボットを主と仰ぎ、働かされる未来が来るのだろうか?   ▼答えはノーだ。人にできてAIやロボットができないことがある。それは「責任を取ること」だ。ロボットは精度良く、スピーディーに、人手をしのぐほどの良い仕事をする。ミスも少なく、正確だ。 しかし時々、…


スター性

先日、面白い取り組みの話を聞いた。 端子盤メーカーのフジコンでは、社員が一人ひとりの秀でた部分、スター性を発掘して見える化し、仕事に活かす価値まで高めていこうという「スタープロジェクト」を今年からスタートした。 第一弾では、会社PR動画を作る際、工場で働く女性社員の歌唱力が音楽プロデューサーから高評価を受けたとのこと。そして今後、他社向けPR動画の楽曲のボーカリストとしても採用したいと言われたそうだ。 彼女も会社も大喜びで、こんなことがあるのかと驚いてしまった。   ▼スタープロジェクトの意義について大島右京社長は「社員はそれぞれに必ずスター性を持っている。それを見える化して周知すれ…


ロボット導入

先日、スリーエムジャパンと機械器具商社にしてロボット・FAシステムのインテグレータでもある愛知産業が研磨ロボット事業で協業するとのことで、その発表会に行ってきた。 機械加工、溶接や塗装は早くから自動化が進んでいるが、研磨工程は全然自動化されていない。さらに、研磨は3K作業で人不足が深刻化しているとのこと。 それを両社が力を合わせてロボット化を進めていくという。   ▼本当に研磨作業はそんなに過酷なのか? 発表会ではグラインダーを使って溶接ビードを除去する研磨体験会も行われ、そこに参加した。 まず作業準備として厚手のデニム生地でできた全身を覆うエプロン、専用の防塵マスク、防護メガネ、革…


「CC-Link IE TSN」の衝撃

CC-Link IE TSNの発表はあらゆる面で衝撃的だった。将来有望だが、規格としてはまだ100%固まっていないTSNに賛同し、率先して対応を決めた。これまでの日本ではあり得なかった決断だ。 日本はデジタル戦略でドイツやアメリカに先行を許し、主要な生産拠点は中国やASEANに移った。一部の製品や技術では韓国や台湾などが猛追してきている。手をこまねいていたらすぐに脱落する。 そんな危機的状況のなか、リスクを取ってもスマート工場へチャレンジをする姿勢は見事だ。やはり日本の製造業には攻めの姿勢が似合う。   ▼これまでの産業ネットワークの戦略は、単独の規格でネットワークを構築し、囲い込ん…


RPAを製造業でどう活かす? 面倒な業務処理やシステム連携を自動化するツール

最近よく聞く「RPA(ロボティックプロセスオートメーション)」。 産業用ロボットを取材している身としては、RPAが出てきて、急にロボットに取り組む企業が増えたと思ったら、実はRPAだったということがよくあり、ちょっと困惑しています。 RPAは人手で行っている業務対応をコンピュータで自動化してしまおうというもので、特に企業のバックオフィス、金融や保険業界などで採用が進んでいる自動化です。 11/15にRPAメーカーのKOFAXの発表会に(門外漢ながら)出席し、プレゼンを聞いていたら意外に製造業でも使える(使われている)んだなーと実感したので、その感想をお届けします。 世界的なRPAメーカーKOF…


IoT、AI、ロボットはいくら?

IoTやロボット、AIなどの新しい技術について、多くの企業が必要性を感じているにも関わらず、導入に踏み切らない。そこにジレンマを感じているサービス提供者は多い。 その要因はさまざまあると思うが、結局のところ「価格に対する不安」を払拭できていないことに尽きる。価格を尋ねると「システムだから一概には言えない」「案件ごとに異なる」と口をそろえて言われる。 理解はできるが、購入する側からすれば目安が分からないのだから一歩を踏み出せないのも当然だろう。   ▼いまは一般的になったが、1990年代に家電メーカーが製品の希望小売価格を止め、オープン価格にした時、消費者から大不評を買った。家電量販店…


ロボットの進化の最終形態はどうなる?

今から20年ほど前、ホンダの二足歩行ロボット「アシモ」が世間に与えたインパクトは大きかった。 人間とほぼ同じ背格好のロボットが両足で立って歩く。ぎこちない動きで、ゆっくりとした歩みではあったが、多くの人がマンガやアニメで見た、鉄腕アトムやドラえもん、ガンダムのような人型ロボットが実現する世界を想像した。 それから日本では大学の研究室や研究機関を中心に二足歩行ロボットの研究が盛り上がったが、最近はそれも落ち着いたようだ。   ▼地上で直立して二足歩行をする動物は、ヒトと一部の動物しかいない。猿や熊は後ろ足で立ち、二足歩行もできるが、普段は四足で歩行する。ペンギンはチョコチョコと歩く姿が…


【解説】THKとドコモ、シスコのIoTサービス開始が意味するところ

THKとNTTドコモ、シスコシステムズの3社が共同で製造業向けの新IoTサービスを開始する という発表がありました。 プレスリリースでは ①3社で製造業向けIoTサービス「OMNI edge」(オムニエッジ)を開発。商用化の検討開始 ②役割は、THKがセンシングし、シスコがネットワーク機器を提供し、ドコモの回線を使うこと ③予兆検知を提供する ④そのための無償トライアルパートナーを50社募集すること と書かれています。 記者発表も行われ、報道各社から様々なニュースが出ていますが、もう少し突っ込んだ形で分かりやすくかんたんに解説いたします 何するの?=世界トップシェアの機械部品「LMガイド」の状…


オウンゴールとイネーブルスイッチは体を表す

サッカーで自陣のゴールにボールを入れてしまうことをオウンゴールと言う。致命的なミスであり、その影響の大きさから日本では30年ほど前まで「自殺点」と呼んでいた。 それがオウンゴールに変わったのは1990年のアメリカW杯が終わったころ。大会でオウンゴールをしてしまったコロンビア代表選手が、大会後に射殺されたという悲しい事件があり、その後から自殺点と言うのを止め、オウンゴールと変わったと言われている。 確かに自殺点という表現は、スポーツにはちょっとふさわしくない。   ▼ロボットのティーチングペンダント等に使われているイネーブルスイッチはかつて「デッドマンスイッチ」という恐ろしい名前で呼ば…