垂直統合が活きる時代

デジタル化が急激に進み、社会が一斉にそちらに向いた反動からか、近ごろはデジタルに対してのアナログ、バーチャルなどリアルを重視する意見や活動がポツポツと目立つようになってきた。 いわゆるカウンターや逆張りであり、逆にそれらが彼らの強みや特長、差別化ポイントとなり、評価が高まっている。   これまで製造業では効率や合理性を最重要視し、非効率だとされたものは中止、または排除されてきた。 例えば、垂直統合型のものづくり。かつて日本では、製品に必要な部品の製造や社内の生産設備の構築や保守を社内で行っていたが、景気悪化や事業環境の変化にともなって多くの企業が外部調達や外注化などいわゆる分業型にシ…


日応中展示会の違い

3月4月と日中欧の展示会に連続して行く機会に恵まれた。 まず中国。広州の自動化専門展のSIAF。ブースの標準的な構成は、実機展示と商談テーブルのみ。スタッフはスマホばかりいじっているが、いざブースに足を踏み入れると積極的に提案に来る。 あとで聞くと、スマホをいじっているのは遊びではなく、中国版LINEのWeChatでお客とコミュニケーションを取っているのだそうだ。   次いでヨーロッパ。ドイツのハノーバーメッセ 。ブース構成は中国と同じだが、デザインや見せ方は洗練されている。商談スペースは広く整っていて、大規模のブースだと軽食や飲み物を提供するカフェを完備している。お客が来ると、座っ…


フランクな現場交流の大切さ

ハノーバーメッセに日本から「ツアー」で行ってきた。ツアー参加者は全員日本人。メーカー、商社、ユーザー、設計技術者、製品企画、営業など、さまざまな企業から職種も違う人々が10数人集まった。 各社一人での参加がほとんどだったので、お互いが自然と交流し、色々な意見が聞けて参考になった。   特定の企業の動向を探りにきた人、大まかなテーマを決めてその世界動向を調べにきた人、日本と海外の違いを感じることを第一義としてきた人など、それぞれの目的はバラバラ。 具体的には、機器の省配線化のヒントが欲しいと言ってケーブルや機器メーカーに絞って巡る人、OPC UAやIO-Linkなど産業ネットワークの動…


日本の製造業は現実を受け入れなければいけない

日本は極東の島国だ。四方を海に囲まれ、歴史的には文化の伝来は大陸に比べて遅かった。古代の稲作にはじまり、文字や仏教など、多くの技術が中国からわたってきた。 中世には南蛮貿易によってヨーロッパの文化がアフリカ、インド、東南アジアを経て日本に入ってきた。江戸時代末期には北から南から欧米列強の文化と技術がもたらされた。戦後は主にアメリカの文化が伝わった。 インターネットもない昔は技術や情報の伝達は物理的な手段しかなく、日本に伝わるのはいつも最後。その不利があった。   それでも日本はいままで外国の支配下に入って主権を失ったことはなく、ずっと独立を保っている稀有な国である。陸続きではない、列…


人に優しい技術革命と産業革命

今まで人類の歴史上、何度もあった技術による産業の革命。古代中国では、紙、印刷、方位磁針、火薬という四大発明が生まれ、後世の社会形成に大きな影響を与えた。 青銅器全盛の時代にヒッタイト人によって発明された鉄器は、西アジア征服の原動力となった。ほかにも発明が社会を変えた例は古代から中世、近世にかけて山ほどある。 近代以降、革新的な技術によって引き起こされた革命は「産業革命」という名称が付けられ、私たちはこれまでに3回経験した。蒸気機関、電気、コンピュータ。そして今4回目の真っただ中にある。   技術によって確かに社会は変わってきた。しかし、それを開発し、使い、変わったのは「人」であったこ…


人とロボットの協働。こんなカタチもあって良い

ペッパー君が街中から姿を消している。AIを搭載したコミュニケーションロボットとして華々しくデビューし、店舗の呼び込みや案内役として大きな期待が寄せられたが、実際はなかなか難しかったようだ。 2014年に発表されてから、多方面で引っ張りだこになり、15年には日経MJのヒット商品番付で11位になるほどの活躍をした。当時は店先で話しかける子どもの姿をよく見かけたが、最近はめっきり見なくなった。 ペッパー君自身は素晴らしい能力を持ったロボットだが、今のところは定着するに至らずに残念だ。   一方、先日行われたイベントEXPOで面白いロボットに出会った。THKとリードジェンが共同開発したアナウ…


工場内技術を屋外で活用する

先日、NHKのニュースで、認知症の高齢者が徘徊して迷子になった際、早期発見のための工夫を紹介するコーナーがあった。 てっきりGPS付きのウェアラブル端末やRFID等を使ったものかと思っていたら全然別のやり方だった。いい意味で裏切られ、確かにこういうやり方なら手軽で簡単、コストも少なくて済み便利だと思った。   その方法とは、高齢者の爪にQRコード柄のネイルをするというもの。埼玉県入間市が提供しているもので、QRコードには市役所の電話番号と利用者に割り当てられる番号の情報が入っている。発見した人がそれをスマートフォンで撮影すると市役所の連絡先が表示され、市役所に電話をしてもらうという仕…


サッカー大国とものづくり大国の共通項

ブラジルやアルゼンチンをサッカー大国と言って異論を挟む人はいないだろう。ブラジルはワールドカップを5回制覇している最多優勝国。アルゼンチンも2回優勝している。 サッカーの王様ペレ、神様ジーコ、天才マラドーナ、現在の世界最高の選手の一人であるメッシ、各時代で世界最高のタレントを輩出している。しかし、これだけではない。さらにスゴイ数字がある。   2015年にInternational Centre for Sports Studies(CIES)が他国にサッカー選手を輸出している国を調査したところによると、選手輸出国のトップはブラジルの1784人、2位はアルゼンチンの929人。この2国…


コトを実現する機能

先日、バズったTwitterから。 「弊社の会議室、SHARPのしゃべる空気清浄機置いてあるんだけど、今日会議中に自分のミスを部下のせいにして雰囲気をめちゃくちゃにした上司が部屋から出てった瞬間に『お部屋の空気が奇麗になりました!』ってアナウンスしてきて息できなくなるくらい笑った」(しき@shiki_bnst)。 これを受けて他のユーザーは「光景を想像すると笑える」「まさに空気が読める空気清浄機!」「この空気清浄機が欲しい」と反応し、大きな話題となった。   もう一つ、同じSHARPの空気清浄機にまつわるTwitterの投稿から。 「SHARPの空気清浄機を買ったんですけど、『聞いて…


変なホテル

長崎県のハウステンボスにある「変なホテル」。チェックインやポーターのロボット化や、目覚まし時計やエアコンなど室内の設備をアシスタントロボットで制御でき、業務のほとんどをロボットが担う近未来型のホテルとして人気だ。 ロボットに囲まれる生活を体験できる面白いコンセプトで評判は上々のようだが、その一方で融通の効かなさ、生産性の悪さから、最近になってロボットをリストラして種類と台数を大きく減らしたというニュースが注目を集めている。   旅行サイトで宿泊者のレビューを見てみると、「ロボットが受付をしてくれるということで楽しみにしていたが、システムがわかりにくかった。期待しすぎたかも」「就寝時、…