プラットフォーム時代の終焉 強い専門性とつながりが活きる時代に

なんでも揃うデパート・百貨店は、昭和の象徴だった。食品から衣服、電化製品、さらにはレストランや遊園地ゲームセンターといった娯楽施設まで一つの施設内にあり、ひとつで完結していた。しかしいまのショッピングセンターを見ると、専門店のテナントが中心。専門的なテナントが集まることで製品やサービスを相互に補完しあっている。1社ですべてを賄おうとするのは小回りがききにくく柔軟性に欠ける。人の趣味嗜好は時間と共に変化していくことを前提とすれば、後者の方がリスクは少なく、成功確率は高くなるのは必然だ。

これは大規模小売店には限らない。あらゆるものでそうした流れになりつつある。ITサービスもそうだ。昔は自社にサーバーを立て、そこに大規模な基幹ソフトを組み込んで使っていた。それが今やクラウドをベースとし、個別のサービスとして提供されるSaaSをいくつも契約し、それをつなげて全体のシステムとするケースが増えている。王道である総務経理や人事、営業、マーケティングなど各業務にSaaSがあり、さらにはそれを細分化または深化させたニッチなSaaSもたくさん出てきている。

自社ですべての機能や役割を賄い、囲い込むプラットフォーム戦略には限界があり、もうそんな時代ではない。小さな「個」が集まり、それぞれの個性を活かしながら「全」となる。それが主流だ。その意味では、企業が生き残るには、他に負けない個、専門性や誰にも負けないニッチ分野を持つ必要がある。と同時に、その個性を活かしながらまわりとつながり、機能していくことも重要だ。どんなに強い個性であっても、孤立して機能するだけでは効果は限定的にならざるを得ない。それよりも全体を活かすため、つながって機能を発揮するものが重宝される。自社の強みはどこか、その上でまわりを活かすにはどうすべきか。それがこれからのビジネスの鍵を握っている。

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