主要FAメーカー 2021年度1Q決算 各社ともにFA事業は好調 ワクチン接種拡大で欧米も回復へ 日本も兆しが

2021年度第1四半期の主要FA機器メーカーの決算が出揃った。各社ともにFA関連事業は売上高・営業利益ともに前年を上回り好調の様子。中国だけでなく、ワクチン接種拡大で欧米にも活気が戻り、一部では日本も復活の兆しが出てきた。グローバルで回復に向かっていることが明白になっており、これからに期待が持てる。

三菱電機の産業メカトロニクス事業部は、売上高は2020年度の2362億円から3565億円の51%増となり、営業利益もマイナス34億円から350億円と大きく改善した。このうちFAシステム事業は、半導体・電子部品・スマートフォンやリチウムイオンバッテリー関連の設備投資を中心に国内外で需要が拡大し、受注高・売上高ともに前年同期を上回った。自動車機器事業の事業環境は、前第 1 四半期で既に回復基調に転じていた中国を除く全地域で新車販売台数が増加し、同事業は自動車用電装品やモーター・インバーターなどの車両電動化関連製品の販売増加などにより、受注高・売上高とも前年同期を上回った。

オムロンの制御機器事業(IAB)は、売上高が821億円から1109億円と35.2%増となり、過去最高を達成。営業利益も138億円から231億円と93億円増加し、利益率も20.8%となり、営業利益額・率ともに過去最高を更新した。
エリア別でも、二次電池やスマホ関連とEV関連の投資が拡大している中国は好調を持続。欧米は順調なワクチン普及で需要が回復傾向にあり、アメリカでは半導体製造装置の需要が拡大。ヨーロッパは欧州内や中国向けの食品・日用品とそれに関わる包装機の需要が拡大。国内は半導体製造装置や5G向け電子部品、EV向けなど部品メーカーの投資回復を捉えている。第2四半期以降も事業環境は好調継続を見込んでいる。


キーエンスは、売上高1699億6300万円で前年同期比54.5%増、営業利益は934億1100万円(80.7%増)と大幅増となった。

富士電機は、1688億円から1900億円と211億円の増加。営業利益も24億円から53億円となった。オートメーション関連は21%増収。低圧インバータとFAコンポーネントを中心に国内外で需要が拡大した。

横河電機の制御事業は、受注高は20年度の761億円から882億円と大きく増加。売上高は762億円から799億円となったが、営業利益は62億円から49億円とダウンした。

地域別では国内、中国は県庁、ヨーロッパは「かなり回復」の手応えとなっている。石油ガスや化学、電力等のエネルギー&サステナビリティが359億円から395億円に拡大し、特に石油の精製・輸送・販売などのダウンストリームが確実に復調。素材関連のマテリアルは297億円から372億円で75億円増。国内外の化学産業、国内の鉄鋼や非鉄金属などが伸長し、経済回復にともなって素材産業の投資回復が進んでいる。

アズビルは、受注高は785億円から881億円(12.2%増)、売上高は519億円から534億円(2.9%増)、営業利益は24億円から29億円(19.9%増)となった。アドバンスオートメーション(AA)事業に限ると、受注高270億円(20.1%増)、売上高218億円(7.3%増)。5G関連をはじめ、世界的な半導体投資の拡大など製造装置市場が回復。特に中国は顧客開拓が進んで大幅に増加している。

IDECは、売上高は128億円から173億円と34.5%増、営業利益は8億4500万円から2.7倍となる23億円となり、いずれも四半期で過去最高を記録。国内は28.1%増で、半導体関連・自動車関連・工作機械・ロボット業界等の需要が大幅に回復、急拡大し、スイッチ事業を中心に受注が予想を超える水準で増加。海外は39.7%増で、好調な中国に続き、アメリカやヨーロッパも需要回復が進んでいる。

第2四半期以降も好調持続の見通し。好業績に期待

第2四半期以降も市場は好調を持続すると見られ、今後の伸びに期待だ。三菱電機は、FAシステムが第2四半期以降も受注拡大を見込み、全体で売上高4兆4900億円、営業利益2600億円とし、前回予想から売上高200億円を上増し。オムロンは事業環境は好調を継続すると見ており、6.8%増の7000億円と予想。IDECは11.1%増とフタ桁成長を見込んでいる。

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