日本企業の限界突破!ヒントは宇宙船地球号

「宇宙船地球号」。1963年にアメリカの建築家・思想家であるバックミンスター・フラーが提唱した概念で、地球と人類が生き残るためには、世界のあらゆる出来事を地球規模で見ることが大事であるとした。

具体的には、地球は閉じた宇宙船と同じ。限りある資源を有効に使い、閉鎖空間内の汚染も禁止。特にエネルギー問題に関しては、蓄積されて有限の化石燃料ではなく、太陽や風、水など自然エネルギーを使うべきと説いた。

 

宇宙船地球号は環境・エネルギー問題に絡めて使われる事が多いが、本来はもっと上位の概念であり、あらゆる考えに応用が可能だ。実際に、アメリカのケネス・E・ボールディングは宇宙船地球号を経済学に応用した。

かつては無限の資源を想定し、経済も限りなく拡大していくものと思われてきたが、実際は地球という宇宙船内という限られた空間以上にはならない。そこには無限の蓄えはなく、採掘する場所や汚染が許される場所もない。

だから人間は循環する生態系やシステムの中にあることを理解し、活動しなければならないという。市場にはいつまでもフロンティア(辺境)があるわけではなく、カウボーイではいられない。どこかで循環型社会に変わる必要があり、まさに今、そのタイミングがやって来ている。

 

ヨーロッパや韓国、台湾といった国の企業は自国市場が小さいため、はじめから海外を目指した。アメリカや中国は巨大市場を抱えている。いずれの国々も、図らずもはじめから自国以外、地球規模の経済を志向した。翻って日本の場合、そこそこの市場規模があり、内需で十分に経営できた。

そのため地球規模で考える思考の醸成、取り組みが遅れ、それが現在の海外売上比率の低さにつながっている。いま日本の製造業は人手不足対策や働き方改革ばかりに目が向いている。大手企業では海外製品や現地調達が進み、グローバル化の動きが顕著だ。

中小企業も「宇宙船地球号」のもと目線を一段上げて、海外市場での販売を強化していかなければならない。

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