「産業用スイッチ=NKK」目指す NKKスイッチズ大橋智成社長に取り組みを聞く

4月から社名を変更し、また新中期3カ年経営計画も新年度の4月からスタートした。今後の取り組みについて、大橋智成社長に聞いた。

■社長就任10年の区切りに

- 4月1日から「NKKスイッチズ」に社名を変更しました。この狙いを聞かせてください。

大橋社長: グローバル化、ボーダーレス化が加速する中で、この環境に適応しながら勝ち残り、世界で最も知られ、世界で最も好まれ、世界で一番選ばれる世界№1のスイッチサプライヤーになるために、社名を変更して新しいステージへ挑戦していくことにした。創立50周年の2003年12月に社長に就任したが、就任当時からグローバル化を加速していくためにも社名に違和感を持っていた。08年の創立55周年の時に変更しようとしたが、社名変更には経費がかかり、リーマンショックの影響もあってロゴマークのみ「NKK」に変更し、09年4月から使用を始めた。その後も社名変更の時期を探っていたが、13年12月11日に創立60周年、社長就任10年という区切りを迎えたことから、特別好景気というわけでないが、今年4月1日から「NKKスイッチズ」に変更した。

- 新社名である「NKKスイッチズ」にはどういう想いを込められていますか。

大橋社長: 世界で最も知られ、世界で最も好まれ、世界で一番選ばれるスイッチサプライヤーになるのが当社のゴールである。産業用スイッチ=(イコール)NKK、NKK=産業用スイッチになることを目指していきたい。スイッチのデザインされるところと生産されるところが違ってきているが、どこで生産、デザインされたとしてもNKKのスイッチであると思ってもらえなくてはいけない。日本開閉器工業が真のグローバルカンパニーになるためには、グループで「NKKSWITCHES」に統一していくことが重要である。

■全社各部門で計画達成へ

- 今年4月から新たな中期経営計画をスタートされました。その狙いと内容を教えてください。

大橋社長: 創立61年目になる今年4月から3カ年間の中期経営計画「Accomplish(アコンプリッシュ)100」をスタートした。「Accomplish」には”成し遂げる”という意味があり、売上高100億円と各部門の計画を100%、それぞれ成し遂げるという2つの狙いを込めている。グローバル化・ボーダーレス化が加速する中で、我々が今後これに耐えられる企業としての樹の幹を作るための戦略を立てていく。この計画を実現するには、社内の生産、開発、販売、品質保証などすべての部門がこの間に何を成し遂げていくかにかかっている。今まで日本の市場しか見ていなかったことが多かったが、我々が作る製品が世界で受け入れられるようにすることが必要だ。日本に市場がなくても海外で売れるスイッチの市場もあるだけに、これからはボーダーレス化・グローバル化に対応していくという厳しい戦いになる。

■もう1カ所海外拠点を開設

- 生産面での海外戦略を聞かせて下さい。

大橋社長: 現在の生産拠点は国内(3カ所)と中国(東莞)にあるが、メーカーとして製品の供給責任を果たしていくためのリスク対策として、今後3年の間には海外にもう1カ所拠点開設を検討していきたい。まだどこにするかは決めていないが、グローバル化のためにも必要で、日本、中国、新拠点で各33%の生産分担ができるようになれば今よりもリスクに対応できると考える。

- 販売施策はどうなりますか。

大橋社長: 全社売り上げの25%を占める北米市場でのシェアは上がってきており、2桁(10%)の目標はクリアできたと思う。北米では今後3年間で12・5%のシェアを獲得目標にしたい。この結果、国内外比率も現在の国内60、海外40が、国内55、海外45に変わってくるだろう。今後も世界4極(日、中、米、欧)体制での販売を進めるが、インターネットが普及してきていることで、販売拠点がなくても売ることが可能な時代になりつつある。現在、地域密着型のローカルディストリビューター、デザインレベルの受注に強みを持つカタログディストリビューター、全世界で販売活動を展開するグローバルディストリビューターの3つのルートを通じて販売しているが、ネットで社名や製品の浸透を図りながら、購入はディストリビューターや代理店を通じてもらうことで、世界中のどこからでも当社の商品が入手できる。

- 創立60周年記念として3つの商品を発表しました。

大橋社長: 「フルスクリーンカラーISシリーズ」、照光押ボタンスイッチでハーフミラーボタンの「YB2シリーズ」、全モールド直流専用小型スイッチ「VS01シリーズ」を発表した。このうち、5月から発売する有機ELディスプレイを採用した新感覚の「フルスクリーンカラーISシリーズ」は、他にはない当社独自の商品で、フレーム枠のないフルスクリーンはスイッチの新しい可能性を拓く期待の商品である。全モールド直流専用小型スイッチ「VS01シリーズ」も5月から販売を開始するが、従来の磁力での開閉は周囲機器への影響が懸念されることも考慮し、アークの影響を防ぐために他社にはない当社独自の開閉機構を採用した。今後とも独創性の高い製品を次々に市場へ投入していきたい。

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