「省電力」に挑む内外電機山梨工場に見る 「進取と自己改革」の気概

内外電機は「電気」の変遷とともに歩んできた。電力会社が雨後の筍のように生まれた結果、電力過剰となり電力再編が進む1920年に、電力安定供給が日本経済の課題との重要性を見越して配電開閉器類の製造会社を創業。日本の人口7700万人の時代である。

そして約1世紀後の現在も“先進"のDNAが受け継がれている。

◆地球環境保全の重要性◆

今や地球環境保護が世界の潮流になりつつある。

再生可能エネルギーが脚光を浴び、発電事業に参入する企業が相次いでいる。蓄電能力を備えたプラグインハイブリッドカーや電気自動車、自家発電の普及を促し、「発電事業の転換点」(丹羽一郎社長)に差し掛かっている。自律分散型送配電時代の到来を予測する同社は創業精神を忘れずに、新たな電力送・受配電インフラへの関わりを強めている。

これからの送配電方式は従来の中央制御から自律分散制御へ移行する。その主役のひとつが次世代の送配電網「スマートグリッド」である。

この流れを感じ取った同社は、「地球環境保全に積極的に取り組み、エネルギーマネジメント技術を利用した受配電制御システム機器の製造販売企業としての社会的責任を果たす」ことを環境活動理念に掲げ、「環境保全活動に関する情報を広く社会に開示し、積極的なコミュニケーションに努める」方針を4年前に早くも制定した。

◆まず自社で実行する◆

環境活動により、産業廃棄量は2008年度29トン(前年度比12%減)、09年度26トン(同10%減)、10年度25トン(同4%減)と減り続けている。

今年度も前年度より削減する目標を掲げている。

電気使用量も06年度を基準に削減への取り組みを強めている。

電気使用量の多い4工場のうち、京阪奈工場(大阪)、山梨工場を環境モデル工場に指定して実行した結果、本社、全国の営業拠点、物流センターにも意気込みが波及した。

電気使用量は、06年度に比べ08年度が9%減の576万2450Kwh、09年度が16%減の533万1630Kwh、10年度が09年度比5%減の508万9250Kwhとなり、今年度は10年度比8%減の468万4000Kwhを目指している。

このほかにもエコ運転によるCO〓削減運動などを展開している。

こうした環境保全の成果を、製品開発などに生かし事業につなげて社会に還元する方針である。

◆CO〓削減成果を事業で社会還元◆

電力の見える化のニーズに対応し、デマンド監視・制御装置「デマンドマスター」、小規模自動検針装置「けんしんマンIII」、中小規模店舗・事業所向け簡易省エネシステム「エネ達(えねたつ)」などを発売しているが、自社で効能が実証されているため評判が良い。

さらに、PHV車やEV車用充電スタンド「エレナージスタンド」「エレナージプラス」、EV車用充電コンセントボックス「エレナージスマート」などを開発し環境・スマートグリッド関連の電力制御分野のトップランナーを務める意欲に溢れている。

創業以来の企業DNA「進取と自己改革」の気概が脈々と受け継がれている。
(おわり)

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