ジャパンユニックスのはんだ付技術基礎知識(9)

■航空・宇宙業界で求められる最高難度のはんだ付品質 (後編)
【人間が活動できないところで動く】

■レーザーはんだ付を効果的に導入する

航空機向けの電子基板は厚く、大電流が多い。その上、搭載部品は小さくて熱に弱く、それらを狭ピッチ、高密度で実装するという困難な場合もある。そのため、多くの顧客がジャパンユニックスのレーザーはんだ付を採用している。レーザーはんだ付を導入し生産工程を自動化するには、3つの技術力を複合的に活用できるかが求められる。

(1)レーザーの知識

(2)はんだ付の技術

(3)自動化のためのロボット制御技術

従来より、はんだ付で使用されているこて付とレーザーでは熱変換やエネルギーの概念が異なっている。こて付では、熱伝導による加熱方式を採られているが、レーザーはんだ付では、表面発熱の原理が採用されている。

一方、はんだ付は、スズ・銀・銅などの金属類、フラックスなどの化学物質を加熱によって化学反応を促進し、凝固させる。固体である金属が、流体化し、スルーホールやランド上を流れ込み、フィレットなどの最終形状を形成する。それらを正しく安定して形成させるには、基板パターン、部品形状、色、求められる熱容量など多くの条件を考慮し、最適なはんだ付の設計が必要となる。

そして、最適に設計されたはんだ付条件を自動化するためには、ロボットを含む自動化ノウハウが求められる。はんだ付の自動化プロセスには、熱源確保(こてまたはレーザー)、はんだ供給、熱供給(はんだ付またはレーザー照射)を正確にコントロールしなければならない。ジャパンユニックスは、はんだ付設計ノウハウに加え、多くの技術特許を取得している。例えば、レーザー照射における照射位置マークは同社の技術特許として認められている。はんだ供給や位置補正などでもさまざまな特許を有し、他社には無い精度や品質を実現している。

■レーザー形状を部品ごとに最適化

複雑化する電子基板・部品へ対応するため、ジャパンユニックスでは、独自技術としてマルチφレーザーを開発した。従来のレーザーはんだでは、照射径が固定であるのに対し、マルチφレーザーは、部品形状やランドパターンに合わせて照射径が自動的に変更される。

レーザー照射径が固定の場合、大小部品が混在する基板では最小径に合わせるため、最大部品では熱容量が不足する。その結果、照射時間が長くなり生産効率や品質に影響を与えかねない。照射径を自動で瞬時に変化できれば、各電子部品に対して最適な照射条件を実現できる。

こてはんだ付では、部品ごとに最適なこて先形状を選んではんだ付を行うが、レーザーでは照射径や形状を変えることで実現させている。ジャパンユニックスでは、可変径レーザーに加えて、ドーナツ型や楕円など異形レーザーでの最適化提案も可能だ。

■航空・宇宙産業のグローバルスタンダード

ジャパンユニックスは、米国規格団体IPCと2015年に業務提携し、日本での展開を支援している。IPCとは、グローバルメーカーが一堂に会し、製造における各プロセスにおいて詳細な標準化を規定している。1980年代には、当時のMIL規格をIPCに移管し、以来、IPC-J-STDとして更新・管理されている。NASAやBAE

Systems、ボーイング社、エアバス社、GEなど宇宙・航空産業のトップメーカーが参画し、IPCスタンダードを標準規格として開発・採用をしている。

IPCでは、J-STD-001がはんだ付の規格として高く認知されており、多くのエレクトロニクス企業で採用されている。その一方、先に述べたとおり、航空・宇宙関係者が求めるはんだ付品質の高さは、他産業とは異なる部分が多い。そのため、IPCでは、航空・宇宙関係に特化したJ-STD-001(S)という、業界専用の追加はんだ付基準を規定している。ジャパンユニックスは、日本の総合代理店として、IPCのグローバルスタンダードをいち早く入手している。

■ジャパンユニックスのはんだ付技術

ジャパンユニックスは、はんだ付を科学的に分析するソルダリングラボを有し、技術者を育成するはんだ付スクールを開催している。高い技術を持ったはんだ付のスペシャリスト「ソルダリングエンジニア」を多数育成し、顧客へのはんだ付アドバイスを提供する。ソルダリングラボでは、毎日、世界中から最先端テクノロジーが持ち込まれ、はんだ付ロボットによる実装テストなどを行い、豊富な知見をためている。

はんだ付は、ひとつでも間違いがあれば、製品の不良となり、航空・宇宙関連機器では人命に影響を与えかねない。ジャパンユニックスでは蓄積したノウハウを定量的なデータで示し、科学的な解決策を提案する。一方、職人的な感性を持つ熟練エンジニアが数多く在籍し、定量的・定性的の両面からのアプローチが可能となっている。

ジャパンユニックスでは、ロボットによる自動化とはんだ付データを何十年にもわたり、実績とともに蓄積している。それらのノウハウは、航空業界をはじめ、医療や宇宙産業向けなどでも数多く採用されている。特に航空、宇宙産業は国家機密に関わるデリケートなところだが、「人間が活動できないようなところで動くもの」という特殊条件をクリアできる稀有なはんだ付ロボットメーカーとして、世界中から問い合わせが寄せられている。

■ジャパンユニックス■(東京都港区、河野正三社長)
1974年の創業以来、最新鋭の分析機器を活用してはんだ付に関する基礎研究を進める一方、レーザーや超音波はんだ付など最新技術を取り入れたはんだ付装置の開発を行っている。世界各地の車載部品、スマートフォン、EMSをはじめとする主要メーカーに数多くの技術支援を行っている。
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